「空室対策5つのポイント<パート1>」~がんばれ、大家さんVol.21

アパート経営で一番大事なことは、何といっても空室を防ぐことです。1ヵ月、2ヵ月そして3ヵ月以上空室になれば、大家さんは気が気ではありません。
まして借入金をたくさん抱えている大家さんは、それこそ夜も眠れなくなります。急に空室になってしまって、準備すらできずに空室になってしまうこともあるでしょうが、それにしても3ヵ月以上空いてしまうことは何としても防がなければなりません。

家賃値下げを検討する前に

それなら、家賃を下げて何とかしようかと考えますが、ちょっと待ってください。家賃交渉に入る前に、次の5つのポイントについて考えてから、家賃を検討してください。
お客様は単に家賃が高い安いだけで、アパートを決めているわけではないのです。
①建物が魅力的かどうか
②間取りがお客様のニーズに合っているかどうか
③設備が充実しているか
④募集の仕方はどうか
⑤家賃は適正か
空室の多いアパートは汚い・古い・高いです。以下この5つのポイントを考えてみましょう。

 

ポイントチェックのイメージ

 

〔1〕建物が魅力的かどうか

お客様の第一印象が悪ければ、検討の対象にはしません。大家さん、自分の建物をもう一度客観的に見てください。魅力的に感じますか? ある大家さんは自分の子供、または孫に見てもらって、感想を聞きました。「お父さん、私はこのアパートには絶対に入らないよ」と言われてショックを受けてしまったそうです。そこで考え直し、外装や入り口はもちろん、内装にも手を入れました。子や孫も納得したそうです。その後すぐにお客様が決まったそうです。
華美にする必要はありませんが、少なくとも清潔でなければ、お客様は見向きもしてくれません。入り口玄関は特に重要です。お客様はインターネットで他のアパートを十分検討したうえで、大家さんのアパートを見にきたのです。大家さんが自分の家にお客様を迎えるときと同じ気持ちで、建物を可能な限り魅力的にしてください。

 

〔2〕間取りがお客様のニーズに合っているかどうか。

部屋を広くすることは物理的にはできません。でも、間取りを変更することは可能です。人気の間取りは、時代や地域、お客様のニーズによって変わることがあります。
昔は2DKで畳の部屋があるのが主流でした。しかし、今は2DKより1LDK、畳よりフローリングの部屋の人気が高いのです。いや、そもそも畳ではとても生活できない、という人もいるくらいです。こうした現場の声を大家さんがしっかり聞く姿勢を示さないと、いつまでも空室のままになってしまいます。
「お金がかかるのでどうだろうか?」と不安になる気持ちも分かりますが、空室のままではもっと危険な状態になってしまいます。お客様のニーズに合っていなければ大家さんのアパートは賃貸市場で永遠に無視され続けてしまいます。

賃貸経営を考えるイメージ

 

 

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本郷 尚 (ほんごう たかし)

税理士・本郷尚 日本における資産税の第一人者として、相続、贈与、事業継承、土地活用、財産管理を中心に活躍。各方面で講演・執筆等行い、著書も多数。株式会社タクトコンサルティング会長。 https://www.tactnet.com/