権利関係が複雑な土地を相続したら、どうすればいい?~知って納得! 土地持ち相続の話~

相続税の申告は、相続が発生してから10ヶ月以内に行わなければなりません。亡くなられた方の資産棚卸、相続人の確定、資産分割し、税金計算、申告手続。この一連の作業を10ヵ月で行わなければならないので、非常に厳しいスケジュールなのです。
とくに権利関係が入り組んだ土地をお持ちの場合、他の権利者との調整が必要となり、時間もかかります。ですから、そういった土地をお持ちの場合、生前に整理をし、売却したいと考えている方が少なくありません。
今回ご紹介するOさんからのご相談は、まさにこのケースでした。

権利の複雑な土地を気にかけていたお父様が亡くなり……

滋賀県在住のOさんは、ご両親がご高齢になったこともあり、相続を意識するようになっていました。けれども、誰もが通る道だし、いざとなれば役所にでも相談すればなんとかなるだろうと思っていたそうです。ただ、気にかかることもあったといいます。
「大阪府に、父が一部を所有している土地がありました。その土地は他の所有者との権利関係が複雑で、父は自身の代で売却したいと考えていたのです。ところが、整理できないまま2019年に亡くなってしまい、私が動かなくてはならなくなりました」

Oさんもお父様と同じように権利関係を整理して売却をしたいと考え、義理の息子さんであるMさんに相談しました。Mさんは相続関係の仕事に関わった経験があるからです。

問題解決のためには、信頼関係の構築が欠かせない

相続の相談は、財産や家族にまつわることを、すべて明らかにする必要があります。ですから、信頼のおけるMさんに話をしたのです。
MさんはOさんの思いに答えるべく、問題の土地の状況を調査しました。すると、とても難しい土地であることがわかったのです。
「調べてみたところ、本当に難しい土地であることを痛感しました。義父は売却したいとのことでしたが、まず他の権利者との調整が必要となります。さらに不動産評価についても、豊富な知識がないと対応できないと思いました。この案件をお願いするのは、仕事の関係で知り合ったフジ総合グループが適任だと思い、義父に紹介したのです」
Oさんは信頼している義理の息子さんからの紹介ということもあり、私たちのところに相談してみることにしたとおっしゃいます。

相続については漠然と考えている方が多く、費用の相場もわかりませんし、信頼できる会社なのかを判断するのも難しいでしょう。ですから私たちはご相談者の方にお伺いしたら、まず自社のことをしっかりとご説明します。信頼できる会社、担当者だと思っていただき、信頼関係を築くことが、最も重要だからです。
Oさんにも、そのことをご理解いただき、ご相談のあった土地を含めて、相続税の申告をご依頼いただきました。

最良の判断ができるように、複数の選択肢を提案

O家の相続財産は、問題の土地の他にも自宅や貸駐車場、預貯金、株式などがありました。Oさんとお母様で財産をどのように分けるか、相続税額や、その後の財産運用なども複数ご提案しました。

相続財産を、誰に、どのように分けるのか、その選択肢は一つではありません。ですから私たちは、残されたご家族が「どのように考え」「どのようにしたいのか」をしっかりヒアリングします。そして、相続・不動産の専門家として様々な選択肢をご提案し、わかりやすくご説明して、10ヶ月という限られた期間の中で、最も良い判断ができるように努めています。家のことをすべて話せる、家族の人生を預けられる存在として信頼いただき、最良の判断に導くのが私たちの役割だからです。

後日談ですが、権利の複雑な土地については売却の目途がたち、Oさんにはたいへん喜んでいただくことができました。現在は、お母様からの二次相続対策のご提案も進めさせていただいています。

 

「満室カフェ」では、各分野の専門家(税理士・不動産鑑定士・弁護士・ファイナンシャルプランナー・不動産コンサルタントなど)が、賃貸物件オーナー様のお悩みや不安を解決する、「満室経営」実現のための情報のご提供を行っております。
記事に関するご質問、不動産鑑定や相続税のご相談などございましたら、下記フォームより満室カフェまでお気軽にお問い合わせください。

フジ総合鑑定 住江 悠

株式会社フジ総合鑑定 大阪事務所 事務所長。不動産鑑定士。24年間で3,600件以上の相続税申告・減額・還付業務の実績を誇る、相続・不動産コンサルティング事務所で、公平な立場から不動産の評価を行う、相続・不動産のプロフェッショナル。