路線価のついていない土地の評価は?~知って納得! 土地評価の話~

相続税は、相続開始時点の財産評価額を算定し、その総額が基礎控除を超える場合、原則として相続開始後10か月以内に、税務署に相続税申告を行う必要があります。基礎控除額は、3,000万円+600万円×相続人の数です。

相続財産には現預金、株式、家屋、土地などがあります。その中で最もウエイトを占めるのが「土地」ですから、土地の評価額の適正な算定が適正申告のカギとなるのです。しかし、評価が難しいために判断が分かれることも少なくありません。

東京都にお住まいのS様はお父様を亡くされ、自宅敷地と建物、遊休土地、現預金など1億円程度を相続することになりました。相続人はS様おひとりだったため、ご自分で申告することを検討。ところが土地評価でつまずいてしまったため、当グループに相続税申告業務をご依頼されました。

「特定路線価」と「無道路地」では、相続税が大きく変わる

今回、ポイントになったのは、宅地敷地に隣接する遊休土地(甲土地)の評価です。下図をご覧ください。

甲土地は行き止まり私道であるA道路に接しています。
原則として行き止まり私道には路線価がついていません。そのため一般的には、当該私道に「特定路線価」を設定し評価します。
ただし特定路線価は、あくまで「設定できる」権利です。例えば、接している道路が建築基準法上の道路ではない場合は、特定路線価を取得する合理性を欠いており、評価対象地が接道義務を満たしていないため、「無道路地」として評価することになります。
建築基準法では第42条で規定された道路を、建築基準法上の「道路」と定めています。該当するのは、幅4m以上の国道や県道、幅4m未満のいわゆるセットバック道路などです。それ以外は「法外道路」として、その道に接する敷地に建物を建築することは原則として許可されません。

無道路地は、実際に利用している道路の路線価に基づいて計算した価額から、無道路地に建築物を建築するために必要な、最小限の間口をもつ通路を開設する場合の価額を控除して評価するものとされています。
そのため「特定路線価」と「無道路地」では、相続税が大きく変わってくるのです。

そこで私たちは念のため、区役所の道路管理課、建築指導課でA道路について調査してみました。すると、A道路は建築基準法上の道路ではないことがわかったのです。
次回は、その詳細をご説明します。

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フジ総合鑑定 住江 悠

フジ総合鑑定 住江 悠

株式会社フジ総合鑑定 大阪事務所 事務所長。不動産鑑定士。24年間で3,600件以上の相続税申告・減額・還付業務の実績を誇る、相続・不動産コンサルティング事務所で、公平な立場から不動産の評価を行う、相続・不動産のプロフェッショナル。