
「所有地が駅から離れているから活用法の最適解がわからない」
「アパートを建てても競合物件がたくさんあるからどうしよう」
「親から引き継ぐ土地を売るか、残すか決められない」
こんなお悩みはありませんか。
昨年から、戸建て賃貸のプラン依頼が増えているのを肌で感じています。
調べていく内に、明確な理由が見えてきました。
前々回のブログ「築古アパートの出口戦略|後悔しない4つの選択肢」では、古くなったアパートをこの先どうするのか、保有、再生、建て替え、売却という4つの選択肢について詳しく解説しました。
その記事の最後で、「戸建賃貸La storiaがなぜニコイチなのか?その理由が出口戦略にあった」と次回予告をしました。
ところが原稿を書き始めると、その前に「なぜ今、戸建賃貸なのか」をお伝えする必要があると気付きました。
そこで、戸建賃貸の話を以下のように2回に分けることにしました。
- 第1回「2026年 土地活用でファミリー向け戸建賃貸が注目される理由」
- 第2回「戸建賃貸La storiaがニコイチの理由|出口戦略から逆算した設計」
今回は第1回について書きます。
戸建賃貸とは、一戸建て、または戸建て感覚で暮らせる独立性の高い住宅を貸す賃貸住宅です。
子育て世帯が求める広さ、収納、駐車場を備えた賃貸が少ない地域では、有力な土地活用の選択肢になります。
ただし、「注目されているから建てましょう」という話ではありません。
この記事では、戸建賃貸が注目されている理由を背景から、入居者ニーズ、建てる判断基準、戸建て賃貸の魅力についてGIFTの目線で解いていきます。
この記事でわかること
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- ファミリー向け戸建賃貸が注目される理由
- 戸建賃貸の供給が増えにくい背景
- ファミリー世帯が住まいに求めること
- 駅から離れた土地の判断ポイント
- アパートと戸建賃貸の違い
- GIFTが戸建賃貸をどう位置付けているか
- 住宅ローンや将来売却で誤解しやすい点
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ファミリー向け戸建賃貸が注目される背景
ファミリー向け戸建賃貸が注目される理由は、戸建てらしい暮らしを望みながら、住宅購入を急がない世帯の受け皿となり、その需要が増加しているからです。
2025年6月にリクルートが全国の賃貸入居者1,222人を対象に実施した「賃貸居住者の生活実態と設備・サービスに対する切望度に関する調査 2025年度」では、ZEH賃貸を「家賃が上がっても検討したい」と答えた人は23.5%で、4年前より5ポイント上昇しました。
背景には、環境意識の高まりに加え、エネルギー消費量や光熱費の上昇があります。特に子育て世帯では検討意向が高く、省エネ性能はファミリー向け賃貸を選ぶ際の条件の一つになっています。
また、在宅勤務化により家で過ごす時間が増えれば、以前なら流せた不便も気になります。
「仕事をする場所がない」
「子どもの足音に気を遣う」
「季節用品やベビーカーで収納がいっぱいになる」
これらの不便を解消する住まいとして戸建賃貸が注目されています。
私は長く住宅業界に携わっていますが、家の満足度を左右するのは、豪華な設備より日々の小さな不満の少なさだと感じています。
同じ3LDKでも、収納の位置や生活動線で住み心地は劇的に変わります。
戸建てに住みたい人が全員、家を買いたいわけではありません。転勤の可能性がある、住宅ローンに迷いがある、子どもの成長に合わせて住み替えたい。そんなご家族にとって、戸建て感覚の賃貸住宅はライフスタイルに合わせられる無理のない不可欠な選択肢になります。
戸建賃貸の供給が増えにくい理由
戸建賃貸の供給が増えにくい理由は、一戸当たりに必要な土地が大きく、アパートより戸数を確保しにくいからです。
総務省の令和5年住宅・土地統計調査によると、居住世帯のある住宅のうち共同住宅は2,496万8千戸、全体の44.9%です。
1993年から2023年までの30年間で約1.8倍に増えました。
その理由は、アパートなら一つの敷地に複数の住戸を配置できます。収益性でみると、戸建賃貸は独立性を確保する分、戸数が少なくなり、表面利回りではアパートよりも非効率的に見えるので、アパートを建てるケースが自ずと増えます。そのため、地域によっては戸建賃貸の募集が少なく、あっても築年数が古い物件に偏りがちです。そうなると、デザインがいまいち、間取りが使いにくい、収納が少ない、水回りが古い、駐車場が足りない等々、今の子育て世帯が望む暮らしと、供給される住宅の間にズレが生まれています。
ただし、全国で戸建賃貸がニーズが少ないわけではありません。
ニーズに見合った戸建賃貸が圧倒的に少ないということなのです。
戸建賃貸を建てる前には次の情報を確認しましょう。
✅ 募集中の戸建賃貸とファミリー向けアパートの数
✅ 競合物件の築年数、間取り、広さ、設備
✅ 募集賃料だけでなく、成約賃料と募集期間
✅ 子育て世帯数と今後の人口動向
✅ 駐車場の必要台数と周辺の生活利便性
✅ 新築・中古戸建ての販売価格
「建てられるか」より先に、「この地域で選ばれる戸建賃貸をつくれるか」を考える。
その順番を逆にしないことが大切です。
ファミリー世帯が求める住まい
昨今、ファミリー世帯が求めるのは、家族が気兼ねなく暮らせて、荷物が収まり、生活の変化に対応できる住まいです。
子供が遊ぶ部屋は数年後に勉強部屋になり、在宅勤務が始まれば仕事場所も必要になります。
生活音への気遣いも大きな問題です。子どもに「静かにしなさい」と何度も言うのは、親御様にもお子様にもストレスになります。
戸建てやメゾネット住戸なら、一世帯が上下階を使うため、共同住宅と比べると上階から他の入居者へ伝わる音を抑えやすくなるので生活音に対するストレスは軽減されます。
断熱性の高い窓、収納力、手入れしやすい床、防犯への配慮。
派手ではありませんが、長く住んでいただくために欠かせません。賃貸住宅ほど「見せる設備」より「毎日安心して使いやすい設計」が重要だと私は思います。
駅から離れた土地でも検討できる理由
駅から離れた土地でも、学校、買い物、駐車場、道路事情など、家族の生活圏が整っていれば戸建賃貸を十分検討できます。
車で移動するファミリー世帯は、駅からの距離だけで住まいを決めません。学校までの道、買い物のしやすさ、通学路の安全性、駐車場を二台確保できるかなど、暮らし全体を見ています。
駅から徒歩15分を超えても、学校や買い物施設が近く、車を使いやすければ検討対象になります。
反対に、通学や買い物に不便な場所では、建物のデザインだけで弱点を補えません。
「駅から遠くても決まる」とは限りません。
ご家族が選ぶ理由を一つでも多く作れるかが満室経営、テナントリテンション(入居者保持)に繋がる重要なポイントです。
長期入居と賃貸経営の関係
ファミリー世帯が暮らしやすい住宅は、長期入居につながりやすく、募集や原状回復を含めた実質収益を長期で安定させる可能性があります。
入居者目線では、家族の引っ越しには、転校や転園、通勤経路の変更、荷物の移動に伴うコストや手間が発生します。
それらの理由から、住まいと地域がマッチングすれば、長期入居につながります。
オーナー目線では、退去時には空室損失に加え、募集、仲介、クリーニング、原状回復の費用が発生します。
そこで、入居期間全体で残る収益を見ます。
月額家賃 × 入居月数 − 空室・募集・原状回復などの入れ替えコスト=手残り
表面利回りが高くても、入退去が続けば手残りは減ります。
適正な家賃で長く住んでいただく方が、手残りは減らさずに経営が長期で安定します。
アパートと戸建賃貸の比較
アパートと戸建賃貸は、優劣ではなく、その土地と地域の需要にどちらが合うかで選びます。
駅前で単身需要が強く、戸数を確保できる土地なら、アパートが適しています。
郊外で子育て世帯が暮らし、駐車場と住戸の広さを確保できる一方、良質なファミリー向け賃貸が少ない地域なら、戸建賃貸が適しています。
比較表を作成したので参考にしてください。

私自身、どちらか一方を勧めればよいとは考えていません。
「何戸建つか」「利回りは何%か」の前に、「誰が住むのか?」
私はまず、そこを確かめます。
戸建賃貸に向く土地の確認項目
戸建賃貸に向くのは、ファミリー需要があり、必要な駐車場と住戸面積を確保でき、地域の家賃と建築費のバランスが取れる土地です。
検討時には、次の7項目を確認してください。
- 子育て世帯が一定数暮らしているか
- 学校、保育施設、買い物施設へ行きやすいか
- 地域で必要とされる駐車台数を確保できるか
- ファミリー向け賃貸の選択肢が不足しているか
- 競合する戸建賃貸に対して違いをつくれるか
- 想定賃料と建築費、維持費のバランスが取れるか
- 将来の居住、承継、売却まで考えられるか
親世代は今の収入を見ます。子世代は、相続後に管理できるか、借入を返せるか、必要なら売却できるかを見ます。
GIFTが考える家族が幸せになる戸建賃貸の位置付け
私たちGIFTは戸建賃貸を、アパートの代用品や流行商品とは全く考えていません。
女性向け賃貸住宅「PRIMA」とファミリー向け「La storia」は、入居者ターゲットも土地条件も異なります。
だからこそ商品ありきではなく、暮らしと資産承継の両方からご提案しております。
まず、土地と地域の賃貸市場を見ます。
そこで暮らす人を考え、オーナー様ご家族が資産を将来どうしたいのかを伺います。
アパートが合う土地も、戸建賃貸が合う土地もあります。
今は建てないという判断もあります。
戸建賃貸は入居者像が明確です。
広さや独立性を求める子育て世帯に向け、暮らし方から建物のコンセプトを考えます。
価格だけで比べられないためには、住んでもらう人の暮らしの不便をどのようにして解決するのかを曖昧にしないことです。
GIFTが掲げる「幸せの資産承継」は、建物を残すことだけではありません。
子世代が無理なく管理でき、入居者に選ばれ、必要なら使い方を見直せる状態で引き継ぐことです。
誰が管理するのか。将来も貸し続けるのか。家族が住む可能性はあるのか。
まだ答えが出なくても構いません。
建てる前に家族で話しておくことが「幸せの資産承継」に繋がります。
戸建賃貸のリスクと出口戦略
戸建賃貸の主なリスクは、
・一戸空室の影響が大きいこと
・建築費と家賃が合わないこと
・築年数とともに競争力が落ちること
です。
広さや性能を追えば建築費は上がりますが、地域で負担できる家賃には上限があります。
家賃と事業費が合わなければ経営は続きません。競合調査、賃料査定、長期修繕計画が必要です。
一般的な建売住宅をそのまま賃貸にすると、築年数の経過とともに家賃競争へ巻き込まれるおそれがあります。
外観、間取り、収納、性能を一つの考え方でつなぎ、選ばれる理由=差別化ポイントを複数つくることが家賃競争に巻き込まれない秘訣です。
出口戦略も建築前に考えます。
賃貸継続、自己居住、親子利用、売却の可否は、土地の分け方、接道、登記、融資条件、税務によって変わります。
私たちGIFTが提案する戸建賃貸「La storia(ラ・ストーリア)」は、二つのメゾネット住戸を長屋形式で一棟にまとめた「二戸一棟(ニコイチ)」タイプです。
メゾネットとは、一世帯が住戸内の上下階を使う住宅です。
なぜ一戸ではなく二戸なのか。
その出口戦略は、
・二戸とも貸す。
・賃貸併用住宅として使う
・親子で使う。
・次世代へ引き継ぐ。
・売却が有利になる(出口戦略が豊富な点から)
現在の家賃収入と将来の使い方を考えやすくした結果がニコイチです。
この話は、次回の第二回「戸建賃貸La storiaがニコイチの理由|出口戦略から逆算した設計」で詳しくお伝えします。
まとめ
今回、お伝えしたかったことは次の3点です。
- ファミリー世帯は、広さだけでなく、性能、収納、生活音、駐車場、生活動線まで見て住まいを選び、その選択基準にこだわりを持つ傾向が強くなっている。
- 良質な戸建賃貸が少ない地域には建てるメリットはあるが、地域ごとの需要調査は必須です。
- 土地活用は現在の家賃収入だけでなく、管理、承継、将来の売却まで考えて決める。
土地活用では、戸数や利回りが優先されがちです。
確かに、目安として図れる数字は大切です。ただ、私が感じるのは、数字だけでつくられた建物は、時間が経つほど弱くなるということです。
・誰が暮らし、なぜ選ぶのか。
・10年後もその選ぶ理由は残るのか。
・お子様が引き継いだとき、幸せになる資産なのか。
この問いに答えていくと、戸建賃貸、アパート、あるいは今は建てないという3つの選択肢から最適解が見えてきます。
戸建賃貸の需要はあるが、供給数が少ない地域で入居者に届けられるなら、戸建賃貸はオーナー様にも入居者、そしてその地域にとって「三方良し」が成り立ち、意味のある土地活用になります。
次回予告 戸建賃貸La storiaがニコイチの理由
次回は、戸建賃貸シリーズの第2回「戸建賃貸La storiaがニコイチの理由|出口戦略から逆算した設計」をお届けします。
なぜ二戸一棟なのか?
賃貸経営だけでなく、自己居住、親子利用、承継、売却まで含めて考えた私たちGIFTが開発した「La storia」の設計思想から、もう一段深く掘り下げます。
公的統計と調査資料
・総務省統計局「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」
・国土交通省「賃貸住宅管理業のあり方の検討に係る有識者会議」
【出典】
SUUMOリサーチセンター「賃貸居住者の生活実態と設備・サービスに対する切望度に関する調査 2025年度」
戸建賃貸についてよくある質問
・戸建賃貸は駅から遠い土地でも成り立ちますか
成り立つ可能性はあります。その判断基準は、学校、買い物、駐車場、道路事情などを含む生活圏が評価され、想定賃料と事業費が合うことが条件です。駅からの距離だけで判断せず、競合物件と実際の成約状況を確認しましょう。
・アパートと戸建賃貸はどちらが収益性に優れますか
一律には決められません。アパートは複数戸で空室リスクを分散しやすく、戸建賃貸は一戸空室の影響が大きい反面、長期入居や差別化を期待できる地域があります。表面利回りではなく、空室、募集、修繕、管理まで含めた実質の利回りで長期収支で比べましょう。
・戸建賃貸と賃貸併用住宅の違いは何ですか
戸建賃貸は一戸の住宅を貸す事業です。賃貸併用住宅は、オーナー様の自宅と賃貸部分を一つの建物に併設した住宅です。La storiaの一戸に住み、もう一戸を貸す場合も、法的・融資上の扱いは計画によって異なりますので計画時には建築会社及び、金融機関に必ず確認しましょう。
・賃貸併用住宅なら住宅ローンを利用できますか
利用できる場合はありますが、必ず使えるわけではありません。自宅部分の床面積、賃貸部分の割合、返済能力、金融機関の基準で扱いが変わります。早い段階で、図面と収支計画を示して融資を受ける金融機関に菅らず確認しましょう。
・ニコイチなら二戸を別々に売却できますか
ニコイチでも、二戸を自動的に別々に売却できるわけではありません。土地の分筆、接道、構造、登記、融資条件が関係します。分離売却を考える場合は、建築前に専門家へ確認してください。
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