前回のブログで、「築20年はアパート経営の分岐点!建替えか?修繕か?判断する3つのモノサシ」について書きました。
その続編として、築20年後も満室経営が続いているアパートは何が違うのかを紐解いていきます。
「駅から近いのに空室が埋まらない」
「近隣の新築に家賃負けしている」……。
2026年現在、多くのアパートオーナー様が直面しているこの悩み。その原因を「立地」や「景気」に求めていませんか?
実は、立地は「条件」の一つに過ぎません。空室の本当の原因は、立地の良し悪しではなく、市場における「ポジション(立ち位置)の欠如」にあります。
本記事では、私たちGIFTが数多くのアパート再生や建築に携わる中で確信した、築20年後も入居者から選ばれる賃貸経営の本質を解説します。
統計が証明する「住宅が余り、選別される時代」の現実
まず、私たちが今どのような市場にいるのか、事実を確認しましょう。
総務省「令和5年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家率は13.8%と過去最高を更新しました。
日本の空き家数は、この30年で約2倍に増えました。
- 1993年: 9.8%(まだ「家が足りない」という感覚が残っていた時代)
- 2013年: 13.5%(「空き家問題」が社会現象化し始める)
- 2023年: 13.8%(過去最高。空き家数は約900万戸へ)
2013年からは、一見、0.3ポイントの微増に見えますが、中身は深刻です。
注目すべきは「賃貸用住宅の空き家」です。
実は、全空き家のうち約4.7割(440万戸以上)が「賃貸用」、つまり、私たち家主・地主が直面しているのは、住宅全体の問題以上に「賃貸市場の飽和」なのです。
この数字が意味するのは、「家があれば埋まる」時代の完全な終焉です。
そして、野村総合研究所などの民間シンクタンクの今後の予測では、非常に厳しい未来が描かれています。
- 2033年予測: 空き家率 約25%〜30%超
- 2040年予測: 深刻なエリアでは、居住者のいない家が並ぶ「ゴーストタウン化」のリスク
少子高齢化で「借り手」は減るのに、相続や新築供給で「貸し手(箱)」は増え続ける。
この需給バランスの崩壊は、2026年現在、もはや避けることのできない確定した未来です。
空室対策を、募集条件の調整(仲介手数料の積み増しやフリーレント)だけで済ませる手法は、もはやその場しのぎに過ぎません。
立地が重要なのは否定しませんが、立地だけで勝負が決まる時代は確実に終わったのです。
「同じエリア・同じ家賃」でも満室と空室が分かれる正体とは?
同じ駅、同じ徒歩圏内、さらには同じ家賃帯。客観的な条件が同等でも、常に満室の物件と、万年空室に悩む物件が存在します。
この差を生むのは、物件が持つ「選ばれる理由の明確さ」=「物件力」です。
入居者は、スペック表(専有面積や設備)を比較する前に、無意識に「ここでの暮らしは、自分に合っているのか」を直感で判断しています。
では、空室物件と満室物件の募集告知での決定的な違いとは何でしょうか?
・空室物件: 「誰にでも貸したい」と考えた結果、特徴がなく、ポータルサイトの「家賃が安い順」でしか比較されない。
・満室物件: 特定のターゲット(例:働く女性、趣味を大切にする単身者)に向けたメッセージが明確で、希少価値性が高い。
オーナー目線の入居するであろう「条件」と、入居者目線の自ら感じた「体験」のズレ。このズレこそが、満室と空室の分かれる正体です。
入居者は「条件」ではなく「暮らしの意味」を指名買いする
これからの賃貸経営で必要なのは、設備の足し算ではありません。その物件がどのような「意味(付加価値)」を伝えるかを設計することです。
ターゲットを極限まで絞り込む
「みんなに貸したい」物件は、誰にも刺さりません。
例えば、私たちGIFTが展開する「PRIMA」のように、「女性」という特定の層にターゲットを絞り、防犯性とデザイン性と居住性を極限まで高めることで、「ここに住みたい」という指名買いを生み出せます。
「間取り」ではなく「体験」を設計する
今の入居者は、単なる床面積ではなく「空間の質」を見ています。
- 視覚的な世界観: 帰宅するたびに誇らしくなる外観デザイン。
- 心理的な安心感: 徹底した防犯動線とプライバシーの確保。
- 圧倒的な開放感: 平米数以上のゆとりと非日常感
これらは「条件」ではなく、入居者がその場所で得る「体験」です。
この設計ができている物件は、年数が経過しても、周辺相場に左右されず、家賃を維持しても満室になる「物件力」が備わっています。
親世代・次世代オーナーが今すぐ見直すべき3つの経営視点
相続や事業承継を控える今こそ、経営の「再定義」が必要です。
親世代の成功体験と、次世代が直面するリスクを整理しましょう。
「立地評価」から「競争力評価」へ
駅からの距離だけで安心するのは危険です。
周辺の競合物件を「入居者目線」で歩き、自らの物件に「わざわざここを選ぶ理由」が何個あるかを数えてください。
理由が家賃の安さしかないのなら、それは経営ではなく「消耗戦」です。
リフォームの前に「コンセプト」を定める
古くなったから内装を変える、設備を更新する、これはメンテナンスに過ぎません。
その前に、「今後10年、誰に選ばれ続ける物件にするのか」というコンセプトを定めてください。
戦略なき設備投資は、お金を捨てるのと同義です。
次世代に「経営構造」を遺す
次世代のオーナーにとって、最も負担なのは「埋まらない空室の処理」です。
遺すべきは、物理的な建物だけではありません。
「永続的にターゲットに支持され、管理が定型化され、安定した収益を生む構造」
それこそが、真の資産です。
GIFTの見解:建築前の企画が建物の寿命を決める
私たちGIFTは、賃貸経営の本質を「建築前の企画で勝負の8割が決まる」と常日頃から考えています。
「立地が悪いから」「不況だから」という言葉は、思考停止を招きます。
実際には、どれほど厳しい市況でも、独自のポジションを確立している物件は揺らぎません。
その本質は、派手な設備で飾るのではなく、「誰に向けて、どんな価値を届けるか」という問いに真摯に答えることです。
その答えを具現化したのが、私たちの提案するPRIMA(特化型)やLa storia(希少型)という選択肢です。
これらは単なる建物ではなく、「競争を避けるために考え抜いた戦略的な建物」なのです。
まとめ:重要なポイント3選
- 空室の真因は「立地」ではなく「選ばれる理由(ポジション)の欠如」にある。
- これからの時代は、スペックの比較ではなく「暮らしの体験」で選ばれる物件が勝つ。
- 次世代へ資産を繋ぐなら、建物という「箱」ではなく、収益を生む「構造」を再設計すべきである。
次回予告:女性・単身層が無意識に選ぶ物件の共通点
女性の単身者層は何を見て物件を選ぶのか?について深掘りします。
引用・出典元一覧
・総務省統計局:令和5年住宅・土地統計調査(確報集計)https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
・野村総合研究所(NRI):2040年の住宅市場と将来の空き家数予測(2023年公表)https://www.nri.com/jp/knowledge/report/2025forum395.html
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古川 健一
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