
賃貸経営において外せない論点が「入居者ターゲットを誰に設定するか」です。
特に、建て替えや新築のタイミングは経営の方向性を根本から見直せる貴重な機会。
ファミリー向けか、単身向けか──この判断ひとつで収益の安定性、空室リスク、修繕コストまで大きく変わります。
今回は、市場データ・人口動態・現場感を踏まえながら、ターゲット選定の考え方を深掘りして解説します。
人口動態から見る賃貸市場の変化:単身世帯の拡大と高齢化
日本は少子高齢化が加速し、世帯構造も大きく変わっています。
特筆すべきは「単身世帯の増加」です。
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2023 年時点の単独世帯は 全国世帯の34%に達し、過去最多の約1,849万世帯
(引用元:ニッポンドットコム「一人世帯の割合34%過去最高に」国民基礎生活調査)
https://www.nippon.com/ja/japan-data/h02059/?utm_source=chatgpt.com -
高齢単身世帯は 855万世帯(高齢者世帯の51.6%)
(引用元:「世帯数と世帯人員の動向の結果と概要」厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa24/dl/10.pdf
都市部では4割超の地域も存在するほど、単身者の存在感は強まる一方です。
一方、ファミリー世帯は緩やかに減少していますが、 郊外や学区の評価が高いエリアでは依然として根強い需要がある のも事実です。
ここから言える結論はシンプルです。
👉 「都市部か郊外か」で、狙うべきターゲットは大きく変わる。
土地の価値・交通利便性・周辺の生活環境によって、求められる間取りは全く違います。
では、ターゲットとしてファミリー層、単身者層にした場合のメリット、デメリットはどうでしょうか?
ファミリー層を狙うメリット・デメリット

メリット
● 入居期間が長い(5年以上の定住ケースが多く、入れ替えが少ない)
● 学区・生活環境が“引っ越し抑制要因”として効く
● ローン返済や長期保有を考えるオーナーにとって、安定感が大きい
特に「子育て世帯に選ばれる立地」は、築年数が経っても競争力を保ちやすく、安定したキャッシュフローを生みやすい特徴があります。
デメリット
● ファミリー向けの家賃は高めになりがちで、一度空室が出ると次が決まりにくい
● 広い間取りは内装工事費が重く、退去時の原状回復コストが大きい
● 空室期間が長期化すると収益に直結して響く
単身者層を狙うメリット・デメリット

メリット
● 都市部や駅近なら “常に需要がある市場” を形成している
● 空室になっても 短期間で次が決まる
● 初期投資がファミリーより抑えられるケースが多い
単身向けは「回転率の高さ=キャッシュフローの安定」に繋がりやすいのが魅力です。
デメリット
● 平均入居期間は 2年未満 と短い
● 入退去が多い分、クリーニング・鍵交換・補修コストが積み重なる
● 賃料下落の影響を受けやすく、市場競争が激化しやすい
土地条件 × 市場性で決めるターゲット選定の“正しい順番”

ターゲットを決める正しい流れは以下の通りです。
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立地(都市部/郊外/駅距離/生活圏)
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人口動態(単身者が多い?子育て世帯が多い?)
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土地の広さ・形状(建てられる間取りが変わる)
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競合の有無(同じ規模の物件が多いか)
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オーナー自身が目指す経営スタイル(高回転 or 長期安定)
立地と市場調査を無視して、“感覚だけで”間取りを決めてしまうと、10年後・20年後に大きな差になります。
単身か?ファミリーか?ターゲットを決める基準の目安として以下のような周辺環境が挙げられます。
◎ 都市部・駅近・大学・オフィス街周辺 → 単身需要が有利
◎ 郊外・子育て世帯に人気の学区 → ファミリー需要が堅調
さらに、土地の広さや建ぺい率によって建てられる間取りや戸数も変わるため、プランニング段階で、市場に適正な「入居者ターゲットは誰なのか?」を意識することが最優先ポイントになります。
👉 「土地で建てられて、入居者ターゲットに合わせた間取りを建てる」ことが最重要。
ミックス型戦略:2つの入居者ターゲットを同時に取り込む

「単身か?ファミリーか?」どちらか一方に絞らず、1LDKやワンルームと2LDKや3LDKを組み合わせる「ミックス型」も有効です。
例えば、1LDK~ワンルームを単身者向けに、2LDK以上をファミリー向けに設計することで、長期安定+高回転のバランスを実現できます。
単身向けだけ、ファミリー向けだけ…と一方に振り切る必要はありません。
この方法のメリットは以下の通りです。
● ターゲットが広がり、空室リスクが低い
● 市場の変化への耐性が高い
● 長期安定(ファミリー)と高回転(単身)を同時に確保
実際に、弊社が最近契約した案件でもミックス型の設計が増えています。
土地を最大限に活かす“戦略的な間取り”として非常に有効です。
▼佐倉市の事例はこちら
https://yanujinu.com/category-22/post-17801/

ミックス型戦略の事例<千葉県佐倉市>
まとめ
ファミリーか?単身か?
どちらを狙うべきかの正解は一つではありません。
立地条件、人口動態や市場性、オーナー様自身が目指す経営スタイルによって、最適解は変わります。
現在の賃貸市場を冷静に見てみると、単身世帯の存在感が際立っています。
この流れは今後もしばらく続くと見られ、都市部を中心に単身者向け物件の需要が底堅い状況が続くでしょう。
一方で、中古マンション価格の上昇傾向が続いており、不動産全体の投資価値はむしろ高まっています。土地をどのように活用し、どんな入居者ターゲットに向けてアパートを建てるのかは、今だからこそ戦略的に考えるべきテーマです。
重要なのは「誰をターゲットにするか」を感覚で決めないことです。立地条件や土地の広さ、周辺環境といった具体的な要素を踏まえたうえで、入居者ターゲティングを行うことが、長期的な収益安定につながります。
さらに、単身向け・ファミリー向けのどちらかに絞り込むのではなく、両方を柔軟に取り入れる「ミックス型」の設計も有効です。
2026年を見据えた賃貸経営の成功のカギは、人口動態や市場の動きを冷静に捉えながら、土地の条件に最も合ったターゲット選定を行うこと。
そして、需要の変化に柔軟な対応ができるプランニングを意識することにあります。

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古川 健一
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