建替え? それともリノベーション? ~収益、節税から考える~

古築アパートは、建替えるべきか、リノベーションするべきか。前回は建物の「耐久性」と「合法性」から考察しました。
今回は、「収益面」と「節税面」から考えてみましょう。

具体的な物件として、専有面積30㎡の2DKが6戸、家賃6万円、築30年の木造2階建てアパートを例に取ります。オーナー様の借り入れ残債はありません。
空室が目立ちはじめたこのアパート、管理会社からは家賃を5万円程度にしないと、入居促進は難しいといわれています。しかし今回は「建替えるべきか、リノベーションするべきか」がテーマなので、家賃を落とさず満室にする方向で検討しましょう。

古いアパート

収益重視? 節税重視? 目的を明確にして選択を

では、リノベーションと建替えを比較してみましょう。なお、どちらの案も、費用は全額借り入れとします。

●A案:1戸200万でフルリノベーションをして、賃料を7万円にする
・リノベーション費用
→¥14,000,000(差額賃料の約10年分)=内装(200万円×6戸)+外装(200万円)
・年間家賃収入
→¥5,040,000=¥70,000×6戸×12ヵ月
・年間返済額(借入期間15年、金利1%)
→¥1,008,000=約¥84,000×12ヵ月
・収益
→¥4,032,000=年間家賃収入(¥5,040,000)-年間返済額(¥1,008,000)

●B案:プリマに建替えて8世帯にし、賃料を8万円にする
・プリマ建築費用(解体費用含む)
→¥60,000,000
・年間家賃収入
→¥7,680,000=¥80,000×8戸×12ヵ月
・年間返済額(借入期間25年、金利1%)
→¥2,712,000=約¥226,000×12ヵ月
・収益
→¥4,968,000=年間家賃収入(¥7,680,000)-年間返済額(¥2,712,000)
年間の収益を比較すると、それほど大きな差はありません。むしろ投資金額が少ない分、A案にメリットがあると判断する方もいるかもしれません。
しかし相続税対策など節税という側面から考えると、B案が正解となるでしょう。

収益を重視するか、節税を重視するかで、選択は変わってくるのです。
ゴールが曖昧では道筋も見えませんし、遠回りをしたあげくたどり着けないこともあるかもしれません。建替えか、リノベーションか。正解を導き出すためにも、まずは目的を明確にし、常に念頭に置きながら、さまざまな角度で比較検討し選択していくことが大切です。

あなたの目的は、なんですか。

賃貸経営のゴールのイメージ

 

次回は、このテーマのまとめとして心理面を加味して考えていきたいと思います。

プリマ倶楽部では、古くなったアパートの建て替えやリノベーションのご相談にも、専門家チームでしっかり対応させていただきます。
お悩みをお持ちのオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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