“払う人”より“受け取る人”がトク
「大家家業が気楽な商売ではなくなってきている」ということを言い続けていますが、やはり大家家業はいいもんです。
世の中には「家賃を払う人」と「家賃を受け取る人」がいます。家賃を払う人は一生懸命働いて給料をもらい、その中から毎月大家さんに家賃を払い続けます。
大家さんは、受け取った家賃から借入金を返済して、その残りを生活費にしています。となると、銀行(公庫)が一番もうかるのかな? でもリスクは最終的には銀行が背負っています。持ちつ持たれつですが……。
お客様(入居者)に感謝、感謝
もし、仮に無事返済を完了したり、途中で返済を完了してしまったり、最初から無借金であるならば、しかも満室で、毎月満額家賃が入金されれば、大家さんにとって、この世はバラ色、世界はあなたのためにあるようなものです。うらやましいかぎりです。感謝、感謝しなければバチが当たります。
誰に感謝するのか? まさか、カミサマではありません。当然アパートの入居者、家賃を毎月きちんと払ってくれるお客様にです。
投資家になりますか? それとも……
話は変わりますが、以前私が読んだ「金持ち父さん・貧乏父さん」という、ショッキングな本があります。この本いわく、一生懸命働いてもお金持ちにはなれません、お金のために働いてもダメです。お金を自分のために働かせなくてはダメですよ、と言っています。
ほとんどの人は、お金を稼ぐために働き、お金を自分のためには働かせていません。
何やら禅問答みたいですが、要は、お金をしっかり運用できなければお金持ちにはなれませんよ。働いて稼いで、税金を払って、その残りで生活をしていたのでは絶対にお金は残らない。たとえ大いに稼いだところで、死に物狂いで働くしかないではないか、ということです。
あなたは投資家になりますか? それとも、一生労働者で終わりますか? と問いかけています。
資産を自分のために働かせる
この話は、大家さんにも当てはまります。大家さん本人は意識をしていませんが、やはり投資家なのです。お金や資産を自分のために、しっかり働かせて稼いでいます。自分が働くことなく、お金や資産が自分のために働いてくれています。借入金が少ない、またはゼロであれば、銀行のために働かなくてすみます。
もし、この状態を長く持続させたいのであれば、入居者が常に喜ぶ建物と環境を、大家さんが一生懸命提供し続けてください。ビルと比較して、居住系の建物は景気に左右されることが少ないのです。大もうけはできませんが、アパートに細く長くしっかり稼いでもらいましょう。

本郷 尚 (ほんごう たかし)

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