「2つの空室対策」~がんばれ、大家さんVol.50

確定申告をすると、大家さんの1年分の収入状況が一度に見えてしまいます。最近では、不動産会社がアパートを管理している場合には、1年分の収支を全部まとめて明細な資料を送ってきてもらえるので、簡単になりました。ただし、明細に掲載されていない支出があったりしますので、大家さんも会計事務所の人もうのみにしないで、注意深く見る必要があります。

利便性で明暗を分けた賃貸市場

今年の申告で感じたことは、空室状況や家賃の下落において、明暗がはっきりしていることです。駅至近、都心、人気のある場所では、当然のことながら空室はほとんどなく、家賃の下落もきわめて少ないのです。立地が良くてもビル経営は厳しく、空室も多くて賃料の下落も10%以上という惨塘(さんたん)たるものがあります。しかし、立地の良い住居系、特に都心では100%近い入居率を保っています。場所によっては空室待ちもあるそうです。まさに、勝ち組と負け組があることを実感しました。

不利な立場でも自助努力でカバー

郊外や駅からバス便となると、空室や家賃下落は目をおおうばかりです。家賃を大幅に下げてもなかなか決まりません。それでも努力して駐車場を確保したり、ペットに対応したり、家賃の引き下げ、仲介料の負担、権利金の免除、敷金の軽減、そしてフリーレント(一定期間家賃免除)を採用するなど、あらゆる努力をした大家さんは被害を最小限に食い止めています。一方で、支出を抑えるために、借入金の早期返済、リフォーム代の工夫などの自助努力をしています。
努力も工夫もしないで、ただ嘆いて放置し、修理もせずにいると、みすぼらしく薄汚れてきて既存の入居者からも不満の声が上がり、最後は退去してしまうという最悪のケースも予想されます。こうなると救いようがありません。
大家さん、これからもこうした状況はもっと続きます。自らが努力と工夫をしない限り、生き残ることは難しいと考えてください。アパート経営も普通の商売もまったく同じです。お客様が喜ぶことは何かを考え、ライバルは常にいることを普通と思い、それには何をしなくてはならないかをずっと考えてください。そして、自分でやれるべき点があれば即実行してください。必ずその反応はあるはずです。

困りものの“空室対策”

ところで、駅至近のアパートを所有しているAさんは、こうした空室や家賃の下落を不動産会社の社員からしっかり聞いていました。幸いAさんのアパートはここ3年、ほとんど空室はありません。家賃もほとんど下落していません。
今年1件だけ退去者がありましたが、すぐに次の入居者が現れ、ほとんど空室にはなりませんでした。それでもAさんの家賃の明細を見ると、2カ月間は空室になっていました。
「どうしてですか?」と聞くと……。
「世間では空室が当たり前と聞いていますから。私も申告で2カ月は空室にしておいてください」、「空室対策ですよ」ととぼけた返事。困ったAさんです。

 

 

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本郷 尚 (ほんごう たかし)

税理士・本郷尚 日本における資産税の第一人者として、相続、贈与、事業継承、土地活用、財産管理を中心に活躍。各方面で講演・執筆等行い、著書も多数。株式会社タクトコンサルティング会長。 https://www.tactnet.com/