賃貸経営で知っておきたい、3点ユニットをリノベするアイデア

古くなった3点ユニットワンルームマンション、あなたならどうする?

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今回のテーマは、「3点ユニットをリノベするアイデア」です。
バス、トイレ、洗面所が1つのユニットに入っている3点ユニット。ワンルームではお約束の3点ユニットをリノベーションするにはどうすればいいか。そのアイデアを成功事例でご紹介します。

 

コンセプトがある「リノベーション」がポイント

築16年のRCマンション、3点ユニットのワンルームです。
古くなった部屋はリフォームするという選択もありました。しかし、新築当時は人気があった3点ユニットも、現在では不人気の物件になりつつあるのが現実です。そこで、収益力のあるコンセプト型のワンルームにリノベーションすることにしました。

コンセプトワークのためには、ターゲットを設定する必要があります。誰に住んでもらって、どんな生活をしてもらいたいか。そのために何が必要かということを考えるのです。
カテゴリーは単身の女性、ターゲットは大学生、または看護師に絞り込みました。
ターゲットを絞り込むことで、入居者予備軍の気持ちが動くコンセプトが設定できるのです。

1つ目のコンセプトは、安心と安全のセキュリティ。プリマと同様、女性には必要不可欠な条件です。
2つ目のコンセプトは、勉強しやすい環境。大学生は当然、勉強をします。看護師は次のステップを目指して勉強します。ですから部屋に入ったら、すぐに勉強がしたくなる空間をコンセプトにしました。

 

3点ユニットを効果的に分け、セキュリティを強化

もともとのレイアウトは、入り口部分の右側に靴箱、その並びにコンロと流し台という簡素なキッチンがあり、左側にバス、トイレ、洗面所が入ったユニットがありました。玄関ドアを開けると室内が丸見えのワンルームですから、キッチンもむき出し、室内に何が置いてあるのかは、一目瞭然です。
そこで「たまり」という空間を作り、ワンルームを2つのコーナーに分けることにしました。

ここでポイントとなるのが3点ユニットです。
洗面台とトイレは一緒ですが、バスを独立させて、真ん中に廊下を作りました。すると部屋に入り口ができます。ここに扉をつけました。
これなら、どうしても玄関を開ける必要があっても、扉を閉めておけばプライバシーが守られます。例えば近隣の方や大家さん、宅急便などが来ても室内を見られる心配はありません。
セキュリティ効果の高い部屋になりました。

デザイナーズアパート PRIMA

デザイナーズアパート PRIMA

 

キッチンを便利に、部屋を広く見せるテクニック

部屋のドアを開けると、右側にキッチンがあり、左側にウォーキングクローゼットがあります。

キッチンは、縦型ですが2口コンロにしました。さらに図面ではわかりませんが、取り外しができるステンレスの作業台があり、調理はもちろん、洗い物を置くこともできます。ワンルームのキッチンは調理スペースを作るとシンクが狭くなってしまうのですが、これならシンクが広く使えます。

そして、ウォーキングクローゼット。この部屋は22㎡なのですが、22㎡のワンルームにウォーキングクローゼットをつけることは、ほとんどありません。けれどもウォーキングクローゼットがあることで、非常に広く感じるのです。今は断捨離の時代ですから、あまり大きくなくても大丈夫。逆にここに入るだけに集約するという、ミニマリストも多いのです。

リノベリビングafter

ターゲットの女性が喜ぶファシリティ

キッチンの奥には作り付けのテーブルがあります。勉強や仕事をする机をイメージしました。パソコンや書類はもちろん、テレビやオーディオを置くこともできる、広めのスペースです。
床の部分は、座る場所以外は収納ができるようになっています。こういう収納スペースも、女性には嬉しいものです。

最後に入り口部分。ここはあえて30cmほど高くしてあります。高齢者であれば段差がない方が良いかもしれませんが、ターゲットは若い女性です。ブーツを履くときには、座れる高さがあると楽でしょう。
賃貸物件の立地条件や構造、部屋の間取りなどへのニーズは、学生なのか社会人なのか、性別、職業、趣味などによって大きく変わってきます。

この点についてはいろいろな考え方があると思いますが、実際に住んでいる女性からは、
「靴が履きやすいし、とくにブーツは座って履けるから良かった」
という声をいただいています。

デザイナーズアパート PRIMA

 

今回は「3点ユニットをリノベするアイデア」の実例をご紹介しました。
限られた空間での中で3点ユニットを分けると、狭くなるのではという懸念があるかもしれません。けれどもアイデアで印象は変わります。このリノベーションでは、3点ユニットを分けてタマリを作ることでプライバシーを守り、ウォーキングクローゼットで部屋を広く使いやすくし、帰ってきてすぐ勉強したくなるような付加価値をつけました。
コンセプト型のリノベーションをすれば、入居者が求める部屋として価値が高まるのです。そのためには、ターゲットの絞り込みが重要ですので覚えておいてください。

次回は、気になる「アフターコロナの賃貸の動き」について解説します。

 

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石川 龍明

「横濵快適住環境研究所」代表、不動産活用コンサルタント。賃貸経営で一番問題となる『空室対策』のプロフェッショナルとして、多くの地主・家主・資産家様の悩みや問題点を解決。全国でセミナーを開催するほか、リノベーションブランド『DRAGON VINTAGE』などのプロデュースを手がける。ニックネーム 龍(りゅう)さん。http://www.shin-chintai.com