アパート経営で知っておきたい、コロナ後の賃貸の動き

コロナ禍で増えたアパート経営3つの問題とは?

賃貸経営コンサルティング・石川龍明先生が教える、満室経営の成功のカギ。大人気セミナーのすぐに経営に活かせる実践的な内容を、テーマごとにブログ&動画で伝授します。

新型コロナウイルス感染症の発生から3年ほどが過ぎ、私たちも日常的にさまざまな変化を余儀なくされました。
賃貸経営にも影響はあります。家にいる時間が多くなったために、クレームも増えているのが実情です。
そこで今回は「コロナ後の賃貸の動き」をテーマに、コロナの影響で増えている3つの問題についてお話しします。

デザイナーズアパート PRIMA

アパート入居者同士の音問題

1つ目は入居者同士の音の問題です。
アパートの構造体には、木造、鉄骨、RC、鉄筋コンクリートがありますが、どれも音は気になります。いくら建築が進んでも人が出す音は止められません。

気になる音は、2つにわけられます。
1つは鉛筆を床に落としたような、カランカランという音です。
これは床の作り方や仕上げの内容で変えられます。

簡単に変えることができないのは低い音です。押入れから子どもがドーンと飛び降りる音をイメージしてください。
「いや、うちの賃貸物件は単身用で、子どもがいないから関係ないよ」
というオーナー様もいるかもしれませんが、実は他人事ではないのです。人間の歩き方には癖があって、かかとで歩く人がいます。このかかと歩きは、意外に音が響くのです。

歩き方を直すなんて無理ですよね。たとえ今までは気にならなかったとしても、家にいる時間が長くなれば気になってくる。日常生活が変化したことがもたらす、新たな音問題と言えるでしょう。

 

生活音を漏らさない構造とは

音問題について、以前ある女性から聞いたエピソードをお話ししましょう。

その方は同じアパート住民の生活音が気になっていたのですが、
「これだけ床の音、上の音、隣の壁の音が聞こえるんだったら、自分の音も人に聞かれているんじゃないかしら」
と思ったそうです。
それは非常に嫌なことなので、音を立てずに暮らしてみたとのこと。ただ2ヶ月もしたら「こんな窮屈なことはない」と痛感して、けっきょくアパートを引っ越したといいます。

人の音が聞こえるから「うるさい!」と怒る人もいますけれど、「自分の音も聞かれているんじゃないか」と、不安に思う人もいるのです。
今は遮音性の高いパネルもありますので、アパートを建てるときはもちろんですが、古いアパートをリノベーションするときには、音問題をクリアするために検討した方がいいと思います。

この問題をできるだけ少なくするために、プリマのアパートは遮音性にこだわっています。
木造・系鉄骨構造のアパートでは、1階と2階を仕切る床は構造用合板+石膏ボード+仕上げのフローリングという3層構造が一般的ですが、プリマのアパートは7層構造になっています。また、それぞれの部屋を仕切る壁は、石膏ボードに片側3重ずつの断熱材を入れた6層構造になっています。ぜひ参考にしてください。

 

ゴミステーションのごみ問題

2つ目はごみ問題です。
家にいる時間が長くなるとゴミが増えます。テレワークで朝昼晩、3食を家で食べる習慣が、新しく確立されてしまいました。緊急事態宣言が出された頃に比べれば外食する人も増えているし、飲食店は長い時間営業できるようになりましたが、コロナ以前に戻っていません。経営者からは、こんな声をよく聞きます。
「会社から家に帰ってご飯を食べる習慣が身についちゃっているんで、夜遅くまで飲むなんていう人もそんなにいなくなっちゃったんですよね」

家で食事をする回数が増えたので、当然のことながらごみも増え、以前と同じゴミステーションでは小さいのです。
そうなると、ごみがあふれてしまいカラスが増えます。これも問題です。
あるマンションではゴミ停にカラスがたむろして通学路をふさいでしまい、小学生が怖くて通れなくなってしまいました。そこでマンションのオーナー様は、ゴミ停を大きく作り変えたそうです。

このゴミステーション問題も、コロナ禍によって生活習慣が変わったことで、新たに出てきた問題といえます。

 

生活環境の問題

今まで大丈夫だった、気にしなかったことでも、ずっと家にいるので不便に感じるようになっています。そのために、細かなメンテナンスが増えているオーナー様も多いのではないでしょうか。

おうち時間が長くなり、映画を観る時間が増えた人も多いでしょう。今となってはレンタルショップで映画を借りるなんて時代遅れ。サブスクで見放題です。そこで欠かせないのがWi-Fiです。
プライベートだけではありません。ZoomをはじめとしたWeb会議にもWi-Fiは不可欠です。しかもある程度の容量がないと、会議の途中で止まったり、最悪の場合切れてしまったりすることもあります。そうなると会議が続けられなくなってしまい、入居者様だけでなく、その会社の業務にも支障を来してしまうのです。

これも今までにはない新しい生活による変化です。Wi-Fiがない環境は入居者様にとって、公私ともに大問題なのです。

工事費無料のWi-Fiはスペックを確認

アフターコロナの生活環境に必要不可欠なWi-Fiですので、業者からの売り込みも少なくありません。
「大家さん、うちのWi-Fiを使っていただいたら新築でも既築でも既存のアパートでも、初期投資の工事代は無料です。その代わり1部屋ごとに月額料金を払ってください」
こんなふうにセールスされたことはありませんか。でもちょっと待ってください。

工事費が無料だからといって飛びついても、入居者様に迷惑がかかっては元も子もありません。いくらの月額料金で、どの程度の容量があるのか、必ず確認して、よく考えて選んでください。

デザイナーズアパート PRIMA

今回は、コロナ影響で増えてきた3つの問題についてお話ししました。
新型コロナウイルス感染症は、私たちの生活を大きく変えました。けれども問題をクリアすることで、新しいチャンスに変えることができるということを覚えておいてください。

次回は賃貸経営を継続させるポイントとなる「長期修繕計画」についてご説明します。

 

↓こちらの内容は、石川先生の動画でもご覧いただけます。↓

最新の情報満載の賃貸経営実践セミナーを毎月オンラインで開催中!
人気講師・石川龍明先生の[参加費無料]セミナーへ、ぜひお気軽にご参加ください!!

The following two tabs change content below.

石川 龍明

「横濵快適住環境研究所」代表、不動産活用コンサルタント。賃貸経営で一番問題となる『空室対策』のプロフェッショナルとして、多くの地主・家主・資産家様の悩みや問題点を解決。全国でセミナーを開催するほか、リノベーションブランド『DRAGON VINTAGE』などのプロデュースを手がける。ニックネーム 龍(りゅう)さん。http://www.shin-chintai.com