賃貸経営に欠かせない「アパートメントデータ」とは

アパートメントデータを意識して、現在の賃貸市場を把握する

賃貸経営コンサルティング・石川龍明先生が教える、満室経営の成功のカギ。大人気セミナーのすぐに経営に活かせる実践的な内容を、テーマごとにブログ&動画で伝授します。

今回のテーマは、「アパートメントデータ」です。
現在アパート経営をしている方も、これから賃貸アパートを建てて経営をする方も、アパートメントデータの数字を意識していただきたいのです。

アパートメントデータのペンタグラムとは

皆さんは、アパートメントデータを意識していますか?
賃貸経営で最も気になるのは空室率ですから、その数値を気にしている方は多いと思いますが、それだけではありません。

アパートメントデータにもペンタグラムがあるので、解説していきましょう。

 

まず空室率。これは、ご存知ですね。
次に募集期間。部屋が空いてから募集をかけたとき、何ヶ月で入居が決まるかということです。
そして更新率。2年間住んだ入居者が、「また住みます」と更新してくれるのは何%なのか。
続いて中途解約率。これは更新まで2年間住んでいただけるはずなのに、残念ながら中途で解約してしまった人の割合です。
最後に資料指数。これはある年を基準にした家賃が、上がっているのか、下がっているのかという家賃の指数です。今回のデータでは、2004年が基準になっています。

 

空室率は、あえて厳しい数字で意識する

今回の数字は株式会社タスが提供しているデータの1つ、「TAS-MAP」からの情報です。TAS-MAPは日本銀行の金融システムレポートに取り上げられていますので、信頼できる数字だと思います。
特徴的なのは、空室率がパーセントではなくポイントになっていること。実はこの数字は、通常より厳しいものなのです。

例えば、4部屋のアパートが4つあります。仮にA、B、C、Dとしましょう。
AとBは満室ですが、Cには空室が1部屋、Dには空室が2部屋あります。通常だと全16部屋のうち3部屋が空室なので、16分の3で計算しますから空室率は約19%です。
ところがTAS-MAPでは満室のアパートを省いた、空室のあるアパートだけでカウントします。空室があるのはCとDですから、全8部屋のうち3部屋が空室と考えます。ですから空室率は8分の3で、37.5ポイントという少し厳しい数字になっているのです。

つまりアパートがいくつあっても、満室のアパートは関係ありません。皆さんの周りに5つアパートがあったとしても、満室のアパートが2つあったら、それははずします。3つのアパートの分母に空いている部屋を入れて、割った数字が空室という形になるので、通常よりも厳しい数字になっているのです。

ペンタグラムで見る東京都の賃貸データ

では、ペンタグラムに沿って東京都のデータを見てみましょう。

 

東京都には、全域、23区、市部のデータがあります。市部というのは、23区以外の市です。
空室率は、東京都全体で13.25ポイント、23区では13.41ポイント、市部は13.39ポイントです。今回は全部で7エリアをピックアップするのですけど、この数字は、その中のトップではありません。
募集期間は全域、23区、ともに2.71ヶ月。市部でも2.75ヶ月です。これは東京都がトップです。
次に更新確率ですが、23区が41.15で、市部は44.42ポイント。あきる野市とか八王子市がある市部の方は、若干ポイントが良いようです。どちらにしても、10人いたとしたら4人が更新してくれるということです。
一方、中途解約率は全体で40.75ポイント、23区は40.11ポイント、市部では35.9ポイントとなっています。
では賃料指数はどうでしょう。2004年を100としたら、2020年はどのくらい家賃が上がっているのか。東京都全体では109.99です。23区では111.09、八王子などの市部は102.02です。市部は微妙に上がっていますが、23区は10パーセント上がっているということが数字から見てとれます。

これは東京都のデータですから、東京都にアパートを持っている方は、自分のアパートがこの数字に勝っているのか、負けているのか、同じなのかということを見ていけばいいのです。

今の自分はどこにいるのか、数字を見て認識する

では、その他のエリアはどうなっているのか。
他のエリアの方には申し訳ありませんが、今回は関東・東海・関西からデータをピックアップしているので、東京都の例にならって数字を見てください。

【神奈川県】            【埼玉県】

【千葉県】            【愛知県】

【大阪府】             【兵庫県】

以上が、各エリアの数字です。この数字を見ると、それぞれのエリアにおける賃貸アパートの現状がわかります。

 

今回は、賃貸経営で注視しなければならない「アパートメントデータ」についてお話しました。ここで示した数字を見ることで、今の自分はどの位置にいるのかを、しっかり認識していただきたいのです。
あなたのアパートはいかがですか。プラスですか、マイナスですか。改善点が見えてきたのではありませんか。

そこで次回は、改善が必要な場合の具体的な数字と、「5つの簡易診断」について解説します。

 

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石川 龍明

「横濵快適住環境研究所」代表、不動産活用コンサルタント。賃貸経営で一番問題となる『空室対策』のプロフェッショナルとして、多くの地主・家主・資産家様の悩みや問題点を解決。全国でセミナーを開催するほか、リノベーションブランド『DRAGON VINTAGE』などのプロデュースを手がける。ニックネーム 龍(りゅう)さん。http://www.shin-chintai.com