悠々自適な老後のはずが……
土地があるから遊ばせておくより、アパートでも建ててなんとか稼いでもらえればいいかな……。定年後は庭にアパートを建てて家賃と年金で、悠々自適に暮らせればいいかな……。固定資産税や相続税が大変だから、節税のためにはアパートが効果的だとみんなが言うからやってみよう……。なんて思って始めたアパート経営も、近頃はライバルが増えてきて家賃は下がるし、空室が出るとなかなか埋まらなくなってきて困っている。
建てて10年過ぎると古くなってきてあっちこっち傷んできてしまい、修理にお金がかかってしまうし、銀行のローンもまだ
15年も残っている。本当は借り入れがないほうがどんなに気もお金も楽になるだろう。全部返してしまえば、これが本当の「老後(ロー(ン)ゴ)」になるなんていってもはじまらない。
大家稼業も気楽でない?
植木等さんの歌ではないが、「サラリーマンは気楽な稼業ではなくなってきたようですね。といっても大家さんは家賃をもらう人、部屋を借りる人は払う人、という構図は何も変わらない。当たり前ではないかといわれますが、やはり大家業は、いい商売です。何しろ借りてくれる人が一生懸命働いて、家賃を大家さんにせっせと運んでくれるのですから。
この家賃をカイケイガク的には“キャッシュ不労会計”といいます。冗談です。まあ、他人が大家さんのために働いてくれることに感謝してもいいかな……。
ガッツで勝ち組を目指そう
アパート経営のライバルがいっぱい出てきました。自分と同じことを考えた同業者、それだけではありません。低金利とローン減税の追い風に乗って、価格が下落した分譲マンション、建売住宅……。何しろ「家賃並みの支払いであなたの夢のマイホームが買えます」という悪魔?のささやきで売りまくられている。それにぼちぼち出てきた、こどもが仕上がった中高年が持て余した“マイホームの賃貸化現象”です。
それやこれやと大家さんには暗い話ばかりのようですが、いつまでも悲観的に考えていても仕方がない。全員が負け組になるはずはありません。他人はともかく、自分だけはなんとか生き残って見せるという、ガッツがあれば大丈夫です。
いよいよアパート経営も競争社会に突入しました。さあ、これから一緒に生き残るために勉強しましょう。おもしろい話をたくさんご紹介しますから、楽しみにしていてください。勉強したことを失敗を恐れず実行していけば、必ず道が開けるはず。「やはり大家稼業はいい商売だな」と思っていただければ幸いです。乞うご期待!
本郷 尚 (ほんごう たかし)
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