第24回で話をしました「アパートに投資しませんか」の続きです。
先日、ある新聞に、大手の某建築会社の「アパートを土地付きで買いませんか」という広告が大きく出ていました。従来の「アパートを建てませんか」ではなく、「この場所でアパートを建てませんか、収入は年間×××で、投資金額は土地と建物で×××、よって投資利回りは年5.5%です」と。
建物の間取りと賃料の明細が提示してあり、「サブリースを利用すれば5年または10年の家賃を保証します」といううたい文句で売り込んでいます。
投資家には、家賃や投資条件、利回りが強調されています。しかも、サブタイトルには「ペイオフ時代に対応するアパート投資は安全で高利回りです」と表示していました。ところで、建物や土地の面積はどのくらいなのかを見てみると、小さく表示されていて、ほんのお印のような位置づけでしかありません。
ペイオフ対策で、アパート投資に脚光
この広告の対象は次のような人たちです。
①お金を持った資産家です。運用先を求めて一部の資金を不動産投資に充てています。特にペイオフの問題で、資金の守りだけでなく、積極的に運用することを考えてアパート投資を始めているとのこと。新築だけでなく、中古の物件もねらっています。
② 高額所得者が、節税(減価償却、金利)をしながら、将来に備えるというものです。従来の値上がりを期待した投資ではなく、あくまでも収入確保を目的にしています。
③ 地主さんの中から、土地を売却して現金に替え、その資金で投資をしようとする人です。一見①の投資家のようですが、②は長年の蓄積のお金で、③の人は土地→現金→アパートと資産の組み替えを積極的に行っています。
土地活用から投資の時代に
いずれの投資家も利回り、家賃の収益力を求めて積極的に投資をしようとしています。売り込まれるというより、投資家は十分な選球眼を持っています。利回りの内容を十分検討することでしょう。そのためにも立地や間取り、さらには建物の修理や維持費の負担がどのくらいになるかを入念にチェックします。ときには専門家も動員します。
年齢は50代~70代までのいわゆる中高年の層が圧倒的だそうです。現金買いも多く、かつ一部融資も受けるそうです。さらに驚いたことは、都会や近郊はもちろんのこと地方の資産家が積極的に投資をしているとのこと。
そういえば、都心のワンルームマンション投資も30代~40代の投資家だけではなく、最近では中高年の現金買いの投資家が急に増加してきたとのことです。
アパート経営が、土地活用のための時代から、収入を求めるキャッシュフロー時代に変わってきたのです。
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本郷 尚 (ほんごう たかし)
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