不毛な押し問答で空室は埋まらない~成功大家の秘伝書【人は頭で考え心で動く】その③

満室経営を維持している成功大家さんは、どんなステップを踏んでいるのか。その4つの階段についてお話する前に、通常の大家さんが陥りがちなパターンを紹介します。

管理会社から、「所有マンションの201号室の入居者様が、今月をもって退室します」との知らせが来ました。
担当者は言います。
「こういう時代だから、70,000円の家賃を5,000円くらい下げて次の募集をしましょう」
大家さんは、値下げはしたくありませんよね。ですから
「少しリノベーションをして、家賃を上げるか、せめて現状維持はできないの?」と言いました。ところが、管理会社の回答は、こうです。
「いえいえ、この地域の家賃はワンルームで70,000円前後ですから、何をやっても無理ですよ」

 

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管理会社の視点でだけでは、機会損失につながりかねない

そう言いながらも、工事会社を行かせるので部屋が空いたら見せてほしいとのこと。求めに応じて、空いた部屋を見せた数日後のことです。

「この間工事会社が見たところ、壁のクロス貼り替えとキッチン交換をしたほうが良いようですね。この中から選んでください」
そう言って見せられたのは、薄っぺらいカタログです。壁紙もキッチンもワンパターンで、選択肢の少ないものでした。
それでも大家さんは、空室を埋めたくて工事をすることにしました。

それから3ヵ月後の、大家さんと管理会社担当者のやりとりです。

大家さん「3ヶ月経ったけど入居者がまだ決まらない。どうなっているの?」
担当者「頑張っているのですが、新しい物件もたくさん建ちましてね…。なかなかこの地域は難しいんですよ」
大家さん「オヤジの代からずっと付き合っているんだよ。なんとかしてよ」
担当者「 はぁ… 頑張っているのですが…」
大家さん「もっと頑張ってよ」
担当者「…じゃ、もう少し、家賃を下げましょうか?」
大家さん「えっ、また下げるの…? でもそうしたら確実に決まるんだろうね?」
担当者「 いえ、それはやってみなくてはわかりません……」

こんな押し問答があったものの、物件は10ヶ月、空室のままでした。65,000円×10ヶ月=650,000円の機会損失です。
もっと他に方法はなかったのでしょうか。

このパターンには、大きな間違いがあります。次回は、このパターンに陥らない、基本の考え方についてお話しします。

 

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石川 龍明

「横濵快適住環境研究所」代表、不動産活用コンサルタント。賃貸経営で一番問題となる『空室対策』のプロフェッショナルとして、多くの地主・家主・資産家様の悩みや問題点を解決。全国でセミナーを開催するほか、リノベーションブランド『DRAGON VINTAGE』などのプロデュースを手がける。ニックネーム 龍(りゅう)さん。http://www.shin-chintai.com