「マンスリー・ウイークリーマンションに学ぶ」~がんばれ、大家さんVol.30

都心はもちろん、郊外の駅至近で、月、週単位で貸すマンションが盛況です。大手業者はテレビやラジオ、さらには駅広告でお客様を集客しています。
「そんな短期貸しでやっていけるのかな?」と大家さんは心配します。「大手のプロがやっていることで、私のアパートとは別世界の話です」と無関心にならずに、しっかり聞いてください。
マンスリーやウィークリーのマンション経営がどんなものか、お客様は何を求めているのかを知ることは、大家さんには参考になると思います。

気楽さ、便利さで、リピーターを呼ぶ

一般に短期貸し賃貸の利用者はビジネスマンが多く、ビジネスホテルの料金と比較検討します。1日いくら、1週間、1ヵ月だとどうなるか、利便性、サービスはどうかと検討します。長期であれば(1週間以上)、当然ウィークリーやマンスリーが有利となります。
金額もさることながら、なじんでくると気楽さ、便利さから何度も利用することになります。業者の人の話によると、リピーター客(何度も利用するお客様)がほとんどとのこと。全国から問い合わせがきて、場所によっては予約が取れない状況もあるそうです。
最近ではビジネスホテル側から部屋を登録しているケースもあるとのこと。

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簡単、便利、そして合理的

なぜこんなに人気があるのかというと、①簡単、②便利、③合理的だからです。
入居するのに面倒な審査がいらない、ホテルのチェックインとほとんど同じですから、身分証明書程度で、保証人や権利金、仲介料金が不要です。敷金は1ヵ月くらい必要ですが、家賃は前払いです。未収になることはほとんどありません。
ホテルと比べれば割安、アパートの家賃と比べれば割高です。しかし、アパートの入居時にまとまったお金を出すことや、家具や寝具を用意する必要はありませんし、引っ越しの手間も費用も不要です。賃貸期間にもよりますが、1年や2年程度であれば、合計費用はアパートの家賃より安いこともあります。
さらに魅力的なものとして、別料金で掃除やベッドメーキングなどのサービスをしてくれることもあります。

ワンルームの恐るべきライバル

アパート経営の大家さんも、のんきに様子見ばかりしてはいられません。まして、単身向けのワンルームの大家さんは、この短期貸しの業者は必ずライバルになります。ライバルの魅力が、入居が簡単、権利金や仲介料なし、家具付き等々、気楽に引っ越せるという点は重要です。確かに単身者が引っ越すのに、入居時に多額の資金を用意し、かつ家具まで持ち込むのでは経済的かつ精神的にも負担になります。
アメリカではこの種類のアパートはごく普通にあります。むしろ1ヵ月単位が主流で、入居者は気楽に移り住めることが賃貸の魅力とされています。さらに、朝食付き(パンとコーヒー)もよくあるサービスです。ほとんどホテルと同等のサービスです。
短期貸しのアパートでお客様を確保するには、それなりのノウハウが必要です。大家さんが直接この仕事をすることは難しいのですが、強力なライバルが出現したことは事実です。
従来の権利金、仲介料、保証人、さらには家具等の設備の充実を考え直す状況になってきました。

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本郷 尚 (ほんごう たかし)

税理士・本郷尚 日本における資産税の第一人者として、相続、贈与、事業継承、土地活用、財産管理を中心に活躍。各方面で講演・執筆等行い、著書も多数。株式会社タクトコンサルティング会長。 https://www.tactnet.com/