アパート経営における事業計画とは
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今回から2回にわたって、成功大家になるための「事業計画のポイント」をお伝えします。
メソッドは8つ。坂本龍馬の「船中八策」になぞらえて、「事業計画ポイント8策」と銘打ちました。
では順番に説明していきましょう。
まずは収支を明確にする
1つ目が建設工事予算と各種諸費用、アパート建築にかかる総費用です。2つ目が借入金返済計画、銀行からの借入金額と期間です。この2点を明確にしてください。3つ目は収支計算。まずここからスタートします。
参考までに、実際にある物件の具体的な数字を見てみましょう。
①は建設費と諸費用です。
この物件のオーナー様は、自己所有の土地にアパートを建てました。土地を持っていれば、諸費用関係は3つしかありません。建物、銀行ローン、諸費用、その他です。
土地を購入する場合は、土地に関わる諸費用も必要になります。
②が借入返済計画です。借入金額はもちろんですが、何年で返済し、金利が何パーセントのかをきちんと把握してください。
そして③が収支計画です。
1ヶ月に入ってくる家賃から毎月銀行に返すお金を引いて、残ったお金、収支差額がここに出ています。
この表では返済比率が40.23パーセントと出ていますけれど、50パーセントを切っていればいいでしょう。この数字は家賃と②の銀行からの借入金額、借入期間、金利が出ていれば、金利電卓で計算できます。今、金利電卓はスマートフォンなどで無料ダウンロードできますので、計算してみてください。
家賃設定と資金調達で重要なエビデンス
次に家賃設定と資金調達計画です。
4つ目の家賃設定。
いつも言っていることですが、家賃を設定するために市場環境調査をしてください。「なんとなく、このくらいかな」で決めてはいけません。エビデンスが必要です。
建築予定の周辺にある、同じような間取りのアパートの家賃はいくらなのか。300世帯くらいの平均を出したうえで、設定してください。
そして5つ目の資金調達計画。
総投資額には、アパートローンで借りるお金と、自己資金で入れるお金があります。
土地の購入が必要な場合は、2~3割の自己資金が必要です。
フルローンで可能な場合もありますけれど、それはオーナー様が持っている土地の路線価や建物自体の金額に左右されます。さらに建物自体の力、魅力や付加価値も影響します。
「本当にこの家賃が取れるのか?」と思われないエビデンスがあるか、という話です。
メンテナンス費用も組み込んで実質利回りの計算を
6つ目は利回りです。
まず単純利回り。表④の年間収入772万8,000円を、表⑤の諸費用まで入れた総投資額8,230万9,300円で計算すると、9.3パーセントという数字が出てきます。
ただ、この数字だけで判断すると非常に危ないです。新築時点での家賃収入と諸費用ですから、将来、どんなところでメンテナンスが必要になってくるのか、修繕積立がどうなっているかということは計算に入っていません。ですからスタート時点でザックリと考えた、まさに単純な利回りなのです。
これらのことを考慮して計算するのが、表面利回りと実質利回りです。今回の例では、表面利回りが10.13パーセント、実質利回りが7.4パーセント。建物の利回りが10パーセント出ているというのは大きいと思います。
今回は「事業計画ポイント8策」のうち、6つのメソッドを説明しました。
次回は、残り2つのメソッドを解説します。
↓こちらの内容は、石川先生の動画でもご覧いただけます。↓
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石川 龍明
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