アパート経営で知っておきたい内覧メソッド~成功大家の内覧事例~

部屋を見に来た人に物件の魅力を伝えるポイントは?

賃貸経営コンサルティング・石川龍明先生が教える、満室経営の成功のカギ。大人気セミナーのすぐに経営に活かせる実践的な内容を、テーマごとにブログ&動画で伝授します。

3回にわたって解説してきた内覧メソッド。今回は「成功大家の内覧事例」を紹介します。

説明が一人歩きするフォーカルポイントの見せ方

内覧に来た人に、どう伝えるか、どう見せるかが大切です。

皆さんは自分の物件のことをわかっていますが、見に来る人は初めてなので、どこに何がついていて、どこが良いのかわかりませんよね。内覧にオーナー様が同行できればいいのですが、そうはいかないこともあるでしょう。管理会社の担当者が同行しても、その人の説明が下手だったら、物件の良さは伝わりません。
ですから、誰もいなくても説明してくれる、説明が一人歩きする見せ方をするのです。

そこで重要なのが、以前お話したフォーカルポイント。
フォーカルポイントは物件の良いところ、他の物件と差別化できる魅力です。
ですからキッチンや収納、水回りなど、内覧した人に注目してもらえるように、フォーカルポイントを目立つように書いておきましょう。
さらに、ちょっとしたコメントを入れておくと効果的です。

たとえば玄関の収納なら
「大容量の玄関収納」
より
「『ブーツも入る』大容量のシューズラック」
と書いてあった方が、見る人が具体的にイメージできますし、わかりやすいですよね。
また洗濯機パンなどの配水部分は、きちんと水を流してからサランラップを貼って、いや臭いを防ぐ工夫も忘れないでください。

デザイナーズアパート PRIMA

第一印象が良くなるウェルカム・ルーム作戦

入居者様に長く住んでいただくためには、
「物件も良いし、オーナーさんも良い人なので、ここに長く住みたい」
と思ってもらうことがポイントになります。

そのひとつが、ウェルカム・ルーム作戦です。
部屋に入ったら、ウェルカム・カードが置いてあったらどうでしょう。
「たくさんある物件の中に、私どもの物件を見に来てくださってありがとうございます。ゆっくりご覧ください」
印象がよいですよね。
さらにメモ帳、ボールペン、メジャーもある。
「うちの冷蔵庫や洗濯機は入るのかな」
と思ったときに、高さなどの寸法を図ったり、メモをしたりするのに便利です。
そこに小冊子が置いてあれば、持って帰ってキーマンに相談するでしょう。

ウェルカム・カード、メモ帳、ボールペン、メジャー、小冊子。このウェルカム・ルーム5点セットが、内覧した人に好印象を与え、入居につながるツールになるのです。

オーナーの人となりが見える共有部分

内覧するのは室内だけではありません。
エントランスや廊下、階段など共有部分にも配慮が必要です。

これは名古屋にあるプリマのアパートの例です。お母様と娘さんが親子で運営している物件なのですが、とてもきれいに管理されています。ゴミ捨て場にボードがあって、ごみの収集日や捨て方も、わかりやすく掲示しているのです。そして入居者様に対する感謝の気持ちが書かれています。たとえばこんな文面です。
「今月、清掃局の方と会ったら、
『ここの入居者さんは本当にゴミの捨て方がきれいで、本当に他のアパートの人にも教えてあげたいくらいきれいなんですよ』
と褒められました。日ごろ皆さんがちゃんとゴミを捨ててくれるということで、私は本当にうれしく思いました。ありがとうございます。これからもお願いします」
また季節の変わり目には
「寒くなってきますので、風などひかないようにしてくださいね」
と添えるなどして、毎月メッセージを貼りだしているのです。
これも、オーナーの人となりが見えてくる事例です。こういった配慮や入居者様への思いも、内覧に来た人が好印象を持ち、
「こんなオーナーのアパートなら、長く住みたいな」
と思うことにつながります。

デザイナーズアパート PRIMA

 

内覧者の本音を引き出す、感想ノートを活用する

最後にひとつ、提案をしましょう。たとえば旅館などに、好きなことを書いてくださいとノートが置いてあったりしますよね。それと同じように、感想を書いてもらうノートを置いておくことです。見に来てくれた人たちに、
「良いことも悪いことも書いてくださいね」
というと、けっこう書いてくれるのです。たとえば悪いこととして
「トイレに棚がないので、どこにトイレットペーパーを置けばいいかわかりません」
と書いてあったら、棚をつけてあげればいいですよね。見に来た人のダイレクトな言葉で改善点が見えますから、改善したら、それを返事としてノートに書いておくのです。

もちろん、良い感想として
「こんなところに住んでみたいと思います」
「入居の審査が通ることを祈ります」
といったことが書かれていれば、あとから来てそれを見た人は、入居意欲が高まります。

4回にわたり解説した、内装メソッドは今回が最終回です。
成功大家さんが自分の物件の魅力的に見せる努力、維持する努力をしていることがおわかりいただけたでしょうか。今回の事例を参考にして、入居者予備軍が内覧のときにワクワクする工夫や仕掛けに取り組んでください。

 

↓こちらの内容は、石川先生の動画でもご覧いただけます。↓

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石川 龍明

「横濵快適住環境研究所」代表、不動産活用コンサルタント。賃貸経営で一番問題となる『空室対策』のプロフェッショナルとして、多くの地主・家主・資産家様の悩みや問題点を解決。全国でセミナーを開催するほか、リノベーションブランド『DRAGON VINTAGE』などのプロデュースを手がける。ニックネーム 龍(りゅう)さん。http://www.shin-chintai.com