「立地条件を考えてみたことはありますか」~がんばれ、大家さんVol.47

アパート経営が地主さんの土地活用であるならば、立地の選択をすることはありません。
自分の所有する土地にアパートを建ててしまうからです。動機は、固定資産税の負担が大変だ、将来の相続税対策には借入金でアパートを建てると税金対策になる、何とかしなくてはと思い、勧められて建ててしまったという大家さんが多いと思います。経済が右肩上がりで順調に発展しているときには、インフレが続き借入金は何とか返済ができて、大家さんは基本的には安心していられました。

アパート経営にもリスクはつきもの

しかし、現実はそう甘くありませんでした。過去はともかくとして、現在と将来においては、大家さんが「左うちわ」でのんびりすることはできそうにありません。真剣に経営を学ぴ、この荒波を乗り越えていかなければなりません。はっきり言っておきます。アパート経営は不動産の投資です。経営のリスクは当然あります。家賃が減少したり、経費が増えるのも当然です。ライバルとしてプロが登場したり、格安の分譲などもドンドン出てきます。

プロ(投資家)はまず立地を選ぶ

特に大家さんが考えなければいけないことは、立地条件の選択をしないで、自分の土地にアパートを建ててしまったことです。ライバルの投資家(プロ)は、まず立地を選んでから判断をしています。ここでいうプロとは、お金を持った投資家です。どの立地の賃貸住宅に投資したら、最も収益が安定的に入るかを重視しています。入居者のニーズに合った立地と環境、そして市場で戦っていける家賃設定かどうかを十分吟味します。
分譲の場合も、「売れるかどうか」「お客様が便利かどうか、環境は良好か」など十分に調査をしてから、開発をします。賃貸の家賃相場を見て購入価格を設定してきます。いわく「月々の返済額は家賃と同等、またはそれ以下の金額で、あなたのマイホームが購入できます」と、あの手この手で入居者に案内をしてきます。

デザイナーズアパート PRIMA

収益を産む資産に組み替える

何度も繰り返しますが、大家さんのアパートは不動産投資の命ともいうべき「立地条件の選択」をしていません。ですから、これからの大家さんは、可能な限り早期に借入金を返済して、アパート経営を身軽にしておくことです。資金をリフォームにかけ、市場で負けないアパートにするための努力を一生懸命やってください。
決して誰かに教えてもらうのではなく、自分の目で見て、他人(プロ)や管理会社の人の意見に謙虚に耳を傾ける姿勢で臨んでください。
立地の選択なしでアパート経営をしてしまった大家さんは、自分の全財産の棚卸しをして、収益を生まない、将来性のない資産の売却をして資金に替え、収益を生む資産に組み替えてください。
ある専門紙の調査によると、地方と東京の家賃格差はほぼ倍以上になってきたということです。さらには、入居率にも大きな差が出てきています。東京と地方、都心と郊外、駅前とバス便、いずれも現在および将来においても、その格差はもっと大きく開いてきています。

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本郷 尚 (ほんごう たかし)

税理士・本郷尚 日本における資産税の第一人者として、相続、贈与、事業継承、土地活用、財産管理を中心に活躍。各方面で講演・執筆等行い、著書も多数。株式会社タクトコンサルティング会長。 https://www.tactnet.com/