部屋数よりも部屋の広さに人気が
一昔前は、部屋の数が多いほうがよかったのですが、最近は部屋の広さが大事になってきました。例えば2DKでは、6畳が2部屋で台所が6畳というのが一昔前のアパートの典型的パターンでした。
最近では同じ広さであれば、この間取りよりも1 LDKにしたほうが人気があります。もちろん、すべての人が部屋数より広さを求めているわけではありません。あくまでも一般論ですので、管理会社の担当者としっかりと相談をしてください。
この広さを求めている要因として、最近の少子化とどうやら関連があるようです。
家族構成で一番少ないのが、実は親子4人なのです。世帯別で見れば、1人または2人が50%を超えています。3人までを含めれば70%を超え、4人家族は25%未満なのです。
特に賃貸住宅では1人または2人が圧倒的で、4人家族は少数派なのです。
これを考えても、部屋数より部屋の広さが求められていることが実感できます。
分譲マンションでもこうした傾向が表れています。しかし、国は相変わらず「標準世帯は4人家族」として捉えていますが……。
いまや3畳・4量半は市場価値なし
さて、こうした流れを理解しながら、最近のアパートの部屋の表示について指針が示されてきました。それを基にした民間情報誌の基準を簡単にご紹介しましょう。
① 食事室兼台所(DK)として使用するための広さは、6畳以上とする
② 居間、食事兼台所(LDK)として使用するための必要な広さは、10畳以上とする
③ 上記に満たない物件については、「DK」は「K」「LDK」は「DK」と表示するように誘導すること
これは、入居者が希望する間取りで、表示と実際が異なるとクレームが出たりするからです。とにかく間仕切りしてあれば一部屋であるという姿勢では、お客様の不満を買うことになってきたのです。
市場では3畳や4畳半の部屋はほとんど価値がなくなってきているのです。「そんなことを言っても俺達の学生時代は、神田川の歌にあるように3畳一間の……」なんて大家さんは言いたいでしょうが、残念ながら、それは遠い昔のお話です。
少しでも空間を広く見せる工夫を
そこで大家さん、これからは少しでも部屋を広く見せる工夫を考えてください。先ほどの2DKを1LDKに変更するもよし、2DKをそのままにして、間仕切りを取り外し可能にして、臨機応変に部屋の間取りが変更できるようにするなどの対応をしてください。
間仕切りを全部外すことができるようにしてしまった例もあります。ドアを引き戸に替えるだけでも、部屋の広さは変わります。
もし、土地には余裕があるけれど、部屋を広げることが不可能であれば、ベランダを広げる、または物置を別途に設置する、などの工夫をすることです。もちろん、家賃は上がります。
大家さん、何とか工夫をして空間を広く見せてください。
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本郷 尚 (ほんごう たかし)
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