親世代から引き継ぐ築古アパート。そのまま賃貸経営を続けるか、それとも建て替えやリフォーム、売却といった大きな決断を迫られる方も多いのではないでしょうか。このブログでは、子世代の地主様に向けて、築古アパートの活用方法について、具体的な判断基準や注意点などをわかりやすく解説していきます。
もちろん、親世代の地主様にも是非読んでいだきたい内容となっております。
築古アパートの活用法を検討する上で絶対に外せない4つのポイント
築古アパートの建て替え、リフォーム、売却といった大きな決断をするには、より具体的な視点で物件の現状やオーナー様の目的を分析する必要があります。
そこで、以下の4つのポイントを重点とし、それぞれ具体的に整理してみましょう。
1、物件の現状を把握する
築年数、構造、立地、設備の老朽化状況、耐震性、法規制への適合性、空室状況、家賃収入など、物件そのものの状態を把握します。
<把握する具体的な方法>
- 物件の履歴書作成:
- 建物の設計図、竣工図、過去の修繕履歴などを集め、物件の履歴書を作成します。
- これにより、建物の構造や過去の改修履歴を詳細に把握することができます。
- 専門家による建物診断:
- 建築士や不動産鑑定士に依頼し、建物の現況を詳細に診断してもらいましょう。
- 耐震性、シロアリ被害、設備の老朽化状況などを専門家の視点から評価してもらうことができます。
- 周辺環境調査:
- 物件周辺の治安、交通の便、商業施設の有無などを調査し、立地条件を評価します。
- Googleマップなどのツールを活用し、周辺の環境変化を把握することも重要です。
- 競合物件調査:
- 近隣の賃貸物件の家賃相場、空室状況などを調査し、自物件の相対的な評価を行います。
- 競合物件との比較により、自物件の魅力や課題を明確にすることができます。
2、活用する目的(目標)を明確にする
収益の最大化、資産価値の向上、経営の負担軽減、相続対策など、物件をどのように活用したいのか、長期的な目標を明確にします。
<明確化する具体的な方法>
- 目標設定:
- 数年後、10年後、20年後の目標を具体的に設定します。
- 例えば、「5年後に収益を20%アップさせる」「10年後に物件を売却し、別の投資に回す」など。
- 優先順位付け:
- 収益、資産価値、経営の負担軽減、相続対策など、複数の目的がある場合は、優先順位を明確にします。
- 例えば、「まずは収益の安定化を図り、その後資産価値の向上を目指す」など。
- リスク許容度:
- どの程度のリスクを取れるか、自分のリスク許容度を把握します。
- 例えば、「安定した収入を求めるので、リスクは低く抑えたい」など。
3、市場の動向を把握する
近隣の相場、需要と供給、規制の動向など、外部環境の変化を把握します。
<把握する具体的な方法>
- 不動産経済研究所のレポート:
- 不動産経済研究所などの専門機関が発行するレポートを参考に、地域の不動産市場の動向を把握します。
- 空室率、家賃相場、人口動態などのデータが得られます。
- 地域の不動産会社へのヒアリング:
- 地域に詳しい不動産会社に、現在の市場状況や今後の見通しについてヒアリングします。
- 地域特有の事情や、最新の市場動向を把握することができます。
- 自治体への問い合わせ:
- 都市計画、建築基準法などの規制に関する情報を、自治体へ問い合わせます。
- 今後の開発計画や規制緩和などの情報を収集することができます。
4、その他の相談先やセミナー参加
- 税理士への相談:
- 建て替え、リフォーム、売却それぞれに税金がかかるため、税理士に相談し、税金対策を検討しましょう。
- 金融機関への相談:
- 資金計画や融資について、金融機関に相談しましょう。
- 不動産投資のセミナー参加:
- 不動産投資に関するセミナーに参加し、最新の知識や情報を収集しましょう。
これらの調査を総合的に行うことで、より客観的な視点から、築古アパートの活用法を判断する基準(モノサシ)がわかります。
建て替え?リフォーム?売却?それぞれのメリット・デメリット
1. 建て替え:子世代、孫世代の継承まで見据える
メリット
- 収益力アップ: 新築物件は、築年数の古い物件に比べて高い家賃設定と入居が決まりやすくなるため、収益力アップが見込めます。
- 入居者の満足度: 最新の設備や間取りを取り入れることで、幅広い層の入居者を獲得し、入居率の向上に繋がります。
- 資産価値の向上: 新築の物件は資産価値が高く、将来的な売却益も期待できます。
- 耐震性・省エネ性能の向上: 最新の建築基準法に準拠した建物は、耐震性・省エネ性能が高く、災害リスクを軽減し、ランニングコストを抑えることができます。
- 地域貢献:景観が良くなることで街並みを美しく、明るくなり、周辺の雰囲気が良くなることで、治安の向上や、防災対策の貢献にもなります。
デメリット
- 高額な費用: 解体費用、建築費用、仮設費用など、多額の資金が必要になります。
- 銀行ローン借入のリスク:金利上昇、賃貸物件数が飽和状態で空室が増加傾向の中、永続的に安定した収益性を確保しないと返済が苦しくなります。
- 長期の工期: 建て替えには、設計から完成まで長期間を要します。その間、家賃収入が途絶えることや、入居者に迷惑をかける可能性があります。
- 入居者の退去・募集の手間: 建て替え中は入居者に退去してもらい、工事後に新たな入居者を募集する必要があります。
- 周辺環境への影響: 工事中の騒音や振動、工事車両の通行など、周辺住民への影響が懸念されます。
こんな方におすすめ:
- 遺す家族のために、将来的に安定した収益性の確保を目指したい
- 最新の設備やデザインの建物で、差別化を図りたい
- 長期的な視点で資産形成をしたい
2. リフォーム:現状を最大限に活かす
メリット
- 費用を抑えられる: 建て替えに比べて、費用を大幅に抑えることができます。
- 短工期: 建て替えに比べて短期間で工事を完了させることができます。
- 入居中の改修が可能: 入居者の状況に合わせて、部分的なリフォームを行うことができます。
- 建物の寿命を延ばせる: 老朽化した部分を修繕することで、建物の寿命を延ばすことができます。
デメリット
- 効果が限定的: 建物の構造的な問題や立地の悪さなどは、リフォームでは改善できない場合があります。
- 最新設備への対応が難しい: 古い建物では、最新の設備を取り入れることが難しい場合があります。
- 入居者の不便を伴う: リフォーム中は、騒音や振動など、入居者に不便をかける場合があります。
こんな方におすすめ:
- 費用を抑えながら、現状の建物を有効活用したい
- 入居者の満足度を向上させたい
- 短期間で工事を行いたい
3. 売却:新たな投資への資金を確保する
メリット
- 経営から解放される: 賃貸経営から解放され、他の投資に資金を回すことができます。
- 売却益を得られる: 物件価格の上昇により、売却益を得る可能性があります。
- 税制上の優遇措置: 特定の条件を満たす場合、譲渡所得税の軽減措置を受けることができます。
デメリット
- 適切な買主が見つからない可能性: 市場状況や物件の条件によっては、なかなか買主が見つからない場合があります。
- 相場より低い価格で売却せざるを得ない可能性: 急な資金が必要な場合など、相場より低い価格で売却せざるを得ない場合があります。
- 税金がかかる: 売却益に対して、譲渡所得税がかかります。
こんな方におすすめ:
- 賃貸経営から手を引きたい
- 売却益で他の投資を行いたい
- 税金対策をしたい
賃貸経営目線で押さえておくべき5つの項目とその判断基準と具体的な事例
ここでは、「建て替え」「リフォーム」「売却」を決める時に賃貸経営で押さえておくべき5つの項目(収益性・将来性・リスク・規制・相続対策)、その判断基準と事例を紹介します。
① 収益性
◎判断基準:リフォームで家賃収入が大幅に増える見込みがあるか、建て替えることでより高い収益が期待できるかなどを検討します。
◎事 例:築40年の木造アパートを、耐震性を強化し、人気の高い設備を導入することで、家賃を10%アップできる見込みがある。
② 将来性
◎判断基準:長期的に賃貸経営を続けるか、売却して別の投資に回すか、相続対策として活用するかなどを考えます。
◎事 例:相続税対策として、アパートを売却し、その資金で他の資産に分散投資したい。
③ リスク
◎判断基準: 建て替えやリフォームには、費用が膨らむ、工事が遅延する、思わぬトラブルが発生するなどのリスクが伴います。
◎事 例: 建て替え中に、思わぬ地下埋設物が見つかり、工期が大幅に遅延し、費用が余計にかかる。
④ 規制
◎判断基準:建物の耐震性、防火基準など、法規制への適合性を確認し、将来的な改修が必要かどうかを検討します。
◎事 例:リフォーム、リノベーションで検討していたが、現在の耐震基準、防火基準を満たしてなことが判明、建て替えに切り替える。
⑤ 相続対策
◎判断基準:将来的に相続が発生する場合は、相続税対策も視野に入れて判断する必要があります。
◎事 例:相続税評価額を下げるために、アパートをリフォームする。
専門家への相談
築古アパートの処遇は、不動産鑑定士、建築士、税理士など、それぞれの分野の専門家に相談することで、より客観的な視点から最適な選択肢を選ぶことができます。
まとめ
築古アパートの活用の方向付けは、物件の状況、オーナー様の目的、市場の動向など、様々な要素を総合的に判断する必要があります。
【ポイント】
- 具体的な数字で比較する: 収益性や費用を数値化することで、より客観的な判断ができます。
- 長期的な視点で考える: 短期的な利益だけでなく、長期的な資産価値やリスクも考慮しましょう。
- 専門家の意見を参考にする: 不動産投資は専門性の高い分野です。専門家のアドバイスを参考にしながら、自分にとって最適な決断を下しましょう。
親世代から引き継いだアパートをどうするかという決断は、人生において大きな転機となるでしょう。この記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
今回は、概要的な内容でご紹介しておりますので、もし、より詳しい情報を知りたい場合は、お気軽にお問い合わせください。
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古川 健一
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