「入居者のほうが賃貸市場を知っている」~がんばれ、大家さんVol.18

アパートを借りる入居者と貸す側の大家さんと、どちらが賃貸市場を知っているか? これはごく一部を除いては、賃貸の相場をよく知っているのは入居者で、ほとんど知らないのが大家さんです。

もちろん大家さんは管理会社に任せていれば、市場を知らなくても管理会社が運営をやってくれるので、何とかなってはいます。しかし、それにしても大家さんは仮にも経営者ですから、自分の経営するアパートの市場をほとんど知らないというのはあまりにもひどいのではありませんか。

市場やライバルの動きを知ろう

「どうしてうちのアパートにはお客さんが来ないのだろう?」
「家賃を5,000円下げても入らないよ」
「お金をかけて修理してもお客さんが入るかどうか分からないから、しばらく様子を見よう」
「銀行の金利は固定なので変更できないし、借り換えたら費用がかかるのでじっとしていよう」
こんな疑問や不安を抱えていても特に相談するのでもなく、自ら動いて打開策を打とうとしない大家さんはたくさんいます。
大家さん、もっと市場に出て、今のアパート経営がどんな動きになっているかを勉強、研究してください。じっとしていては何も解決しません。打開策は必ずあります。
家賃については、入居者はたくさんの情報を得て比較検討を十分しています。インターネットの時代では、家に居ながら多くのアパート情報を得ることができるのです。ライバルは同じアパートだけではありません。分譲マンションも強力な相手です。何しろ月額支払いが家賃並みで、大家さんのアパートより質の高いマンションが買えてしまう時代ですから。

 

デザイナーズアパート PRIMA

複数の専門家の意見を聞こう

大家さん、まずは不動産関連会社の人に聞くことです。今、市場はどんな動きをしているのか? どんなアパートに人気があり、逆に不人気なのか、家賃や貸す条件は、そして自分のアパートのどこが問題なのか? ここを一番素直に耳を傾けて聞くことです。場合によっては、相談料を払ってでもしっかり教えてもらうことです。ライバルの動向もしっかり聞き、見に行くことです。そうすれば今の自分のアパートを他と比較することによって、問題点が分かります。
さらには複数の専門家に聞くことをお勧めします。いろんな意見が出る場合もあるでしょう、しかし、それはそれでいいのです。自分がしっかり聞けば、自ら答えを導き出せるはずです。銀行にも相談してください。金利や借り換えも可能かもしれません。場合によっては、思いきって手持ち資金で返済もありうることです。

 

経営とは市場の変化に対応すること

大家さんとして成功するには、絶えず勉強と研究をすることです。市場をしっかり見ていれば、自分が何をすればいいのかが分かります。他の良いところは素直に学び、自分の悪いところは早く直せば、市場では必ず生き残ることができるでしょう。
何もこれはアパート経営だけではありません。経営とは常に市場の中で生きていくものなのですから。大家さん、市場は常に変化するものです。アパート経営は20年、30年以上続きます。
商売とは、常に市場の変化に対応していかなければ生き残れないのです。

資料イメージ

 

 

 

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本郷 尚 (ほんごう たかし)

税理士・本郷尚 日本における資産税の第一人者として、相続、贈与、事業継承、土地活用、財産管理を中心に活躍。各方面で講演・執筆等行い、著書も多数。株式会社タクトコンサルティング会長。 https://www.tactnet.com/