どうも日本人は、お金の話をすることは卑しいという気持ちがあるようです。まして、「働かずして稼ぐ」というのは恥ずかしいとでも思っているようで、資産の運用や投資については、ほとんど研究していません。
「金持ち父さん・貧乏父さん」の話をまた持ち出します。いわく「お金を稼ぐために働いてもお金持ちにはなれません。お金を自分のために働かせなければなりません」。
何やら禅問答のようですが、要は頑張って働くだけではお金持ちにはなれません、資産の運用をして、お金を生む仕組みを自ら考えて実行しなければ、お金持ちにはなれません、ということです。
目標は年収3,000万円の小金持ち
この本を読んだAさんは、一念発起して自分で目標設定を行い、計画を立てて実行に移しました。
Aさん(55歳)の財産と収入は下記のとおりです。親から相続した土地に、借入金でアパートが建っています。5年前に親が相続税対策として建てていました。
家賃収入は年間750万円ですが、借入金の返済が年間400万円ありますから、手取り350万円です。つまり年収は、給料1,000万円と家賃350万円の合計1,350万円です。2人の子僕は仕上がっていますので、生活にはゆとりがあります。
しかし、Aさんはこれでは満足していません。「目標年収3,000万円」を掲げました。
優先順をつけて計画実行
目標を設定したAさんは、収益を上げるために何をしなければならないかを考えました。出した結論は「資産のうち収益を生まない資産は、生む資産に組み替える」ことでした。Aさんは下記の順序で実行に移しました。
① 現金5,000万円の中から4,000万円の借入金を返済。これにより返済金の年間350万円がなくなった。
② 所有する土地のうち収益を生んでいない土地を5,000万円で売却して、その5,000万円で他の土地にアパートを建てた。家賃収入は年間750万円。
Aさんの年収は、750万円+750万円+給料1,000万円=2,500万円となりました。当初の目標までもう一息です。Aさんは次のステップを考えています。
【財産(万円)】
預金 5,000→ 1,000
土地 10,000→ 5,000
建物 5,000→10,000
自宅 10,000→10,000
30,000→26,000
借入金 4,000→ 0
自己資本 26,000→26,000
30,000→26,000
【収入(万円)】
返済 400→ 0
差引き 1,350→2,500
1,750→2,500
家賃 750→1,500
給料 1,000→1,000
1,750→2,500
5年後の定年を迎えれば、給料の年収1,000万円は激減します。そこで将来、自宅の活用(賃貸または売却)を考えているのです。
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本郷 尚 (ほんごう たかし)
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