「デフレ時代は、借入金の返済を」~がんばれ、大家さんVol.42

デフレ時代の資金適用は、まずは借入金の返済です。資金運用に絶対的に自信のある人以外は、借入金があればとにかくそれを返済してください。

借入金返済に家賃の確保は必至

アパートを建てるときに、とりあえず銀行または公庫からお金を借りてしまいました。
固定金利で長期間借りられる、または変動金利で金利が低い、という理由でめいっぱい借りてしまいました。
家賃が予定どおり入金されて、経営が順調であれば問題はないのですが……。家賃が下落し、空室も出てきてしまったら、アパート経営を根本から見直さなければなりません。
まずは家賃の確保です。何としても空室を埋めなくてはなりません。この点は、何度も繰り返しお話ししています。家賃を下げたり、仲介料や権利金を外して、さらにはフリーレント(一定期間家賃をゼロにする)も考えて、とにかく空室を防ぐのです。

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手元資金は可能な限り返済に回そう

ところで、収入の確保も大事ですが、支出を抑えることも同時に大事なことです。特に支出を抑えることは自分の努力で可能なことが多いのです。
アパート経営で支出のうち金額が最も大きいのは、借入金の返済です。一銭でも多く、かつ早く、資金を返済に充ててください。
手元資金があれば、可能な限り返済に回すべきでしょう。「いざというときに手元資金がなければ、いけないので」と考える人もいます。しかし、ある一定金額は必要でしょうが、必要以上に手元に置く必要はありません。
借入金が5,000万円あったとします。今は家賃収入で返済をまかなっています。しかし、一方で預金が6,000万円あったとします。預金には現時点では、ほとんど金利はついてはいません。一方、借入金には、低いとはいえ年間3%の金利がついています。単純計算では、借入金5,000万円×3%=150万円の金利が出ていきます。
金利が経費になっているとはいえ、年間150万円の支出は大きいです。もしこのまま10年間続けば、150万円×10年=1,500万円の支出となります。20年であれば、3,000万円です。もちろん実際には一部元金が減るのでこんな金額ではありませんが、しかし、20年で2,500万円ぐらいにはなります。
手持ち資金6,000万円から一度に5,000万円を返済するかどうかは分かりませんが、せめて3,000万円は返済しましょう。その後資金が貯まったら、早期に返済をしてください。

不要不急の資金を売って返済へ

資金だけでなく、不要不急の資産(土地や株)で資金化できるものがあれば、返済に回すことをお勧めします。
ある方は、今懸命に借入金の返済を早めるために、無駄遣いをしないで資金を蓄え、毎年一定金額を返済しています。当初15年間で返済する予定を、10年で完済することを目標にしています。
「目標を持って返済すると、できるものですね。それにいろいろ知恵も出てきますよ」

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本郷 尚 (ほんごう たかし)

税理士・本郷尚 日本における資産税の第一人者として、相続、贈与、事業継承、土地活用、財産管理を中心に活躍。各方面で講演・執筆等行い、著書も多数。株式会社タクトコンサルティング会長。 https://www.tactnet.com/